合唱で生徒がコロナ感染 文科省が対策呼びかける緊急通知

埼玉県や兵庫県の中学校で合唱の練習やコンクールに参加していた生徒の感染が相次いで確認される中、文部科学省は8日、合唱の際の感染対策を呼びかける緊急の通知を全国の教育委員会などに発出しました。

合唱をめぐっては、8日までに埼玉県内の中学校で生徒ら36人の感染が確認され、合唱の練習で感染が広がった可能性もあるとみて感染経路の調査がされているほか、先月には兵庫県の中学校でも合唱コンクールに参加していた生徒らによる集団感染が起きています。

こうした中、文部科学省は全国の教育委員会などに、学校の授業や部活で合唱を行う際の感染対策を求める緊急の通知を8日発出しました。

通知では具体的な対策として、マスクは原則着用し、間隔をできるだけ2メートルあけること、顔への飛まつの飛散を防ぐため、立っている児童生徒と座っている児童生徒が混在しないようにし、連続した練習時間をできるだけ短くして、常時換気をすることなどを求めています。

このほか、各教科において長時間、近距離で対面で行うグループワークや、音楽におけるリコーダーや鍵盤ハーモニカの演奏などは、地域の感染が拡大している場合は慎重に行い、一時的に控えることも検討してほしいとしています。

萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「できるかぎり感染防止に配慮しながら、さまざまな対応をしていただくことが望ましい。一律に感染リスクがある合唱コンクールは全国一斉に中止をするべきだということを発信するつもりはなく、ぜひ気をつけてやってもらいたい」と述べました。