仏 コロナ感染状況改善進まず 制限緩和条件満たすのは難しいか

フランス政府は、小売店の営業を認めるなど新型コロナウイルス対策として行ってきた制限措置を段階的に緩和していて、今月半ばには外出制限も緩和することを目指しています。しかし、感染状況の改善は想定通りに進んでおらず、保健当局者は、この状況が続けば外出制限の緩和の条件を満たすのは、極めて難しいという見方を示しました。

フランス政府は、先月末から小売店の営業を認めるなど感染対策に伴う制限措置の段階的な緩和を始め、今月15日には1日の感染者数が5000人程度に減っていることなどを条件に、外出制限を夜間に限定するなど、緩和をさらに進める方針です。

しかし今月に入ってからも、1日の感染者数が1万人を超える日もあるほか、病院の集中治療室の患者数も3000人を上回っている状況が続いています。

フランス保健省のサロモン保健総局長は7日の記者会見で、「私たちは感染が再び拡大する高いリスクに直面している。この状況が続けば、緩和の条件を満たすのは極めて難しい」と述べたうえで、今月15日からさらに緩和を進めるかどうかは、今後数日の状況を見極める必要があると述べました。

フランス政府は、アメリカで感謝祭の休暇以降に感染者数が増えていることを受けて、クリスマスの休暇明けに感染が再び広がることを警戒していて、地元メディアは、政府が今週中に担当閣僚の会議で、緩和計画を現状のまま進めるかどうか検討を行うと伝えています。