
菅首相 新型コロナに強い危機感で対応と強調 新たな経済対策も
菅総理大臣は4日夜、事実上の国会閉会にあたって記者会見し、新型コロナウイルス対策に強い危機感を持って対応する考えを強調しました。また、新たな経済対策について「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、2兆円の基金を創設するほか、デジタル関係で、1兆円を超える規模を確保することを明らかにしました。
この中で、菅総理大臣は、新型コロナウイルスの感染状況について、「新規感染者数や重症者数が過去最多となり、極めて警戒すべき状況が続いている。先週から、重症者向けの病床がひっ迫し始めており、強い危機感を持って対応している」と述べました。
そして、国民の命と暮らしを守ることが政府としての最大の責務だとして、「これから年末年始を迎え、国民の皆様には、科学的にも効果が立証されている『マスクの着用』、『手洗い』、『3密の回避』といった基本的な感染対策を徹底していただくよう、改めてお願い申し上げる」と呼びかけました。
また、菅総理大臣は、来週早々に経済対策を決定するとしたうえで、日本政策金融公庫による無利子・無担保融資を来年前半まで延長するほか、緊急小口資金について、所得の減少が続いている場合の返済免除措置を延長することを明らかにしました。
そして、地方創生臨時交付金を1兆5000億円確保することを明らかにしたほか、緊急的な手当として、ひとり親世帯については、今年度の補正予算の予備費で、所得の低い世帯は1世帯5万円を、2人目以降の子どもには3万円ずつの支給を年内をめどに行う考えを示しました。
また、菅総理大臣は、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、まずは政府が環境投資で大きく踏み込むとして、過去に例のない2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間継続して支援する考えを示しました。
そして、水素を新たな電源と位置づけ、大規模で低コストな水素製造装置の実現や、低コストの「蓄電池」の開発などに取り組むとともに、自動車から排出される二酸化炭素をゼロにすることを目指し、電気自動車などを最大限導入していくための制度や規制を構築する考えを示しました。
また、マイナンバーカードを持っている人を対象にした、ポイント還元制度、「マイナポイント」の期限の半年間の延長や、現在の5Gの機能を強化した、いわゆる「ポスト5G」や、「6G」の技術開発など、今回の経済対策のデジタル関係で、1兆円を超える規模を確保することを明らかにしました。
さらに、携帯電話料金の引き下げについて、「本当の改革はこれからだ。個々人の料金負担が本当に下がっているのか、サブブランドに移行する場合の手数料など、残された障害がないか見ていきながら、必要に応じてさらなる対応をとっていく考えだ」と述べました。
このほか、菅総理大臣は、不妊治療について、「保険適用を2022年度からスタートし、男性の不妊も対象にしたいと考えている」と述べました。
そして、保険適用までの間は、助成制度の所得制限を撤廃したうえで、助成額の上限について、2回目以降も今までの倍の一律30万円で6回までとするほか、2人目以降の子どもの場合でも、同様の措置を取ると説明しました。
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また、みずからが接種を受けるかどうかについては「これから接種の順番を決め、自分に順番が回ってきたら接種したい」と述べました。
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そのうえで、アメリカ訪問の時期について、「新型コロナウイルスの感染状況も見つつ、できるかぎり早い時期に会おうということで一致している。具体的に今は何も決まっていないが、今後しかるべきタイミングで調整をしたい」と述べました。
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そして、「抑止力強化の在り方については、国家安全保障会議での議論を踏まえ、引き続き検討して調整していきたい」と述べました。
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また、将来的に6人が任命される可能性があるか質問されたのに対し、「一連の手続きは終わっているので、新たに任命を行う場合には、学術会議から推薦をいただく必要がある」と述べました。
一方、記者団が「学会などで、これほどまでに反発が広がると思っていたか」と質問したのに対し、菅総理大臣は「かなり、なるんじゃないかなというふうには思っていた」と述べました。