大阪「非常事態」吉村知事 ”早めの対応でダメージ最小限に”

新型コロナウイルスの重症患者の急増を受けて、大阪府は府民に対し、4日から今月15日まで、できるかぎり不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。吉村知事は「早めに対応することで、社会経済に与えるダメージをできるだけ最小にしていきたい」と述べ、改めて理解と協力を求めました。

大阪府は重症患者が急増し、医療体制がひっ迫しているとして、独自に設けた「大阪モデル」で、「非常事態」を示す赤信号を点灯させるとともに、府民に対し4日から今月15日までの12日間、できるかぎり不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。

これについて、吉村知事は記者団に対し「通天閣や太陽の塔も赤にライトアップするなど、さまざまな協力をしてもらっている。街の様子を見ても、人出は少なくなっていると思っている」と述べました。

そのうえで、吉村知事は「感染全体を抑えていかないと、重症者が減ってくることはない。今はブレーキをかけること、早めに対応することで、社会経済に与えるダメージをできるだけ最小にしていきたいので、府民の協力をお願いしたい」と述べ、府民に対し改めて理解と協力を求めました。

西村経済再生相「いざという時の支援を準備」

西村経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で、大阪府の吉村知事と午前中に電話で対応を協議したとしたうえで「特に、医療の体制が非常に厳しいということで、頻繁に連絡を取り合っている。国としても、さまざまな事態や状況を想定しながら、いざという時のための支援などを準備しており、迅速に支援していきたい」と述べました。

“赤信号点灯” 大阪府民の反応は

大阪府が4日から今月15日まで、府民にできるかぎり不要不急の外出を控えるよう呼びかけていることについて、大阪 梅田ではさまざまな声が聞かれました。

小さな子どもを連れた30代の女性は「きょうはどうしても用事があり外出していますが、できるだけ家にいようと思います」と話していました。

また、70代の女性は「春先の外出自粛要請では感染拡大を抑える効果があったと思います。スーパーで食料品を買う以外はネットで済ますように対策をしています。コロナは怖いですし、今回も効果を期待したいです」と話し、要請にできるかぎり応じたいとしていました。

一方、飲食店で働く20代の女性は「お客さんが、この数週間でずいぶんと減りました。外出自粛で、もし、また店が閉まるとお給料も減るので困ります」と話していました。

また、20代の会社員の男性は「朝早くの通勤電車は満員な時もあります。4月のような緊急事態宣言では無いので、外に出る人は結構いると思います」と話し、要請の効果を疑問視していました。

京都 西脇知事「大阪府への不要不急の外出は控えて」

大阪府が新型コロナウイルスの重症患者が急増し、独自に設けた「大阪モデル」で「非常事態」を示す赤信号を初めて点灯させたことを受けて、京都府の西脇知事は京都府民に対し、大阪府への不要不急の外出をできるかぎり控えるよう呼びかけました。

大阪府は3日夜、新型コロナウイルスの重症患者が急増し、医療体制がひっ迫しているとして、独自に設けた「大阪モデル」で、「非常事態」を示す赤信号を初めて点灯させるとともに、大阪府民に対し、4日から今月15日までの期間、できるかぎり不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。

これについて京都府の西脇知事は、4日朝、記者団に対し「京都府民には引き続き、大阪市など感染が拡大している地域への、飲食を目的とした移動の自粛をお願いしたい」と述べました。

そのうえで「大阪府が『赤信号』となったことから、京都府民にはできるかぎり大阪府への不要不急の外出は控えるようお願いしたい」と述べ、大阪府全域への不要不急の外出をできるかぎり控えるよう呼びかけました。