新型コロナ ワクチン接種 ロシア モスクワで今週末から整う

ロシアの首都モスクワ市は、新型コロナウイルスの国産ワクチンを、今週末から医療関係者などが幅広く接種できる態勢が整ったとしました。来週前半から接種を始めるとしているイギリスの動きもにらみながら、調整を急いだものと見られます。

ロシアの首都モスクワのソビャーニン市長は3日、新型コロナウイルスの国産ワクチンの接種について、12月5日から70の医療機関で始められる態勢が整ったと明らかにしました。

まずは医療関係者や教師などが対象で、4日からインターネットで申し込めるということです。

ロシアでは、一部の医療関係者や軍関係者への接種は始まっていますが、こうした形で接種を幅広く呼びかけるのは初めてと見られます。

ロシアでは、1日当たりの新たな感染者が連日2万5000人を上回るなど深刻な状況で、プーチン大統領は2日、医療関係者などを対象に来週から大規模な接種を始めるよう指示していました。

プーチン大統領と近いソビャーニン市長としては、イギリスが来週前半から接種を始めるとしている中で、調整を急いだものと見られます。

今回使われる国産ワクチンは、当時のソビエトが世界で初めて打ち上げた人工衛星にちなんで「スプートニクV(ぶい)」と名付けられるなど、欧米に対抗する政治的な側面が強いとして、国内の科学者からも安全性などを最優先にするべきだという声が上がっています。