東京オリパラ コロナ対策 選手村では4、5日間隔で検査も

東京オリンピック・パラリンピックに向けた政府と東京都、組織委員会による会議が開かれ、新型コロナウイルス対策の中間整理が示されました。各国の代表選手らに対し、選手村では原則、4日から5日の間隔で検査を行うなどとしています。

総理大臣官邸で開かれた会議には杉田官房副長官のほか、東京都と組織委員会の担当者らが出席し、新型コロナウイルス対策の中間整理が示されました。

それによりますと各国の代表選手らに対し、出国時や入国時に検査を行うほか、選手村では原則、4日から5日の間隔で検査を行うとしており、来年2月をめどに検査の具体的な実施方針を策定するとしています。

またスマートフォンのアプリなどで健康状態を報告してもらうほか、海外からの観客についても、国内での行動や健康状態などを管理する仕組みを検討するとしています。

そして会議では、感染者が確認された場合の競技運営の在り方や、公道など競技会場以外の場所で行われるマラソンや競歩などの観客の感染症対策などについて、今後、議論していく方針を確認しました。

組織委 来春までに対策内容決定

会議のあと組織委員会の武藤事務総長は「これだけ大きな大会のコロナ対策を行うには計画と実践の双方が大事で、計画の大筋は固めることができた。これからは運営に焦点を当てて中身を詰め、実践に注力したい。これから具体化する段階でさまざまな問題があるだろうが、根気強く検討を続けて結論を出したい」と述べました。

組織委員会はIOC=国際オリンピック委員会や国際競技団体などとも協議しながら、コロナ対策の多くの内容については来年春までに決め、3月から再開されるテスト大会を踏まえて修正を図っていきたいとしています。

次の会議で各競技団体の意見や課題を提示

JOC=日本オリンピック委員会の福井烈専務理事は、東京オリンピック・パラリンピックの感染対策を検討する会議に出席したあと報道陣の取材に応じ、感染対策の取りまとめが行われたことについて、「アスリートを大会の主役として位置づけて、最優先で検討をしていただき感謝を申し上げた。環境整備やルールづくりという観点で、出入国や検査などで具体的な整理が行われたことはアスリートの安心につながっている。今後、各競技の強化責任者から意見や課題を吸い上げ、次の会議で示したい」と話していました。

またJPC=日本パラリンピック委員会の河合純一委員長は「障害があるアスリートの固有の感染対策などについて、今後、実務的なガイドライン作成に移る中で、JPCの知見が役立つ部分はあると思うので、積極的、全面的に関わっていきたい」と話していました。

新型コロナ対策 9項目の課題

東京大会の新型コロナウイルス対策で中間整理としてまとまった主な対策のうち、会議が示した今後の課題は以下の9つの項目です。

▽選手の検査の実施方針。
▽組織委員会の「感染症対策センター」と保健衛生の拠点機能の具体化。
▽陽性者の入院・宿泊療養体制の確保。
▽陽性者が確認された時の競技運営の在り方。
▽観客数の上限や外国人観光客といった観客の取り扱いや、大会関係者の取り扱いについての具体的な措置。
▽マラソンや競歩など路上での競技の観客の感染対策。
▽聖火リレーやライブサイトでの混雑や密集を避けるための対策。
▽開閉会式での選手などの感染対策。
▽ワクチンが利用可能となった場合の対応。

退村後は事後交流除き、速やかに帰国を

今回まとまった主な対策の中では選手村の滞在期間について、感染のリスクを下げるため、競技が終わったあとに速やかに退村するなど、選手村への入村と退村のタイミングを調整し、滞在期間を短縮することが示されました。

そして選手村から出たあとは、ホストタウンでの事後交流を除いて、速やかに帰国するようルール化するとしています。