「いじめアンケート」個人特定の部分除き開示命じる 福島地裁

中学時代にいじめを受けて不登校になった福島県会津坂下町の生徒の父親がいじめの調査の一環で町の教育委員会が行ったアンケートの結果の開示を求めていた裁判で、福島地方裁判所は、町に個人の特定につながる部分を除いて開示するよう命じました。

会津坂下町の江川和弥さんは、6年前に当時中学1年生だった長男の綱弘さんが不登校になったことを受けて、町の教育委員会がいじめの調査の一環で中学卒業の直前に行った在校生や保護者へのアンケートについて、町に情報公開請求したものの不開示となったことから、開示と慰謝料を求めて提訴していました。

これまでの裁判で、町は不開示を条件に調査に協力してもらった経緯があり、調査結果を開示すると個人の特定につながるおそれがあるとして、訴えを退けるよう求めていました。

福島地方裁判所は1日、「氏名や性別、学年などを除けば、個人の特定はできなくなる」として、個人の特定につながるおそれがある部分を除いてアンケート結果を開示し、11万円の慰謝料を支払うよう命じる判決を言い渡しました。

江川さんによりますと、長男の綱弘さんは去年1月、みずから命を絶ったということです。

判決のあと江川さんは、「原因究明なくして再発防止はありえず、子どもの死が『学ばれない死』として、むだになってしまうことは、親として耐えられない。いじめの原因や構造を明らかにするためにも、アンケート結果は、もっと早く、綱弘が生きているうちに開示されるべきだった」と涙ながらに話しました。

会津坂下町は「判決内容がわからないので、コメントできない」としています。