世界の子ども13億人が自宅でネットの接続環境なし ユニセフ

ユニセフ=国連児童基金などは、自宅でインターネットに接続できない子どもが、世界でおよそ13億人に上るとする報告書を発表しました。新型コロナウイルスの影響で、学校に通えない子どもが多くいる中、ユニセフはインターネットに接続できないことで教育の機会が失われると、懸念を示しています。

ユニセフなどが1日に発表した報告書によりますと、世界の3歳から17歳までの子どもの3分の2にあたる、およそ13億人が自宅からインターネットに接続できないということです。

インターネットへの接続環境は、各国の所得水準によって大きな差があり、所得水準が最も高いグループに分類される国では、86%の子どもに接続環境があるのに対して、所得水準が最も低いグループの国では6%にとどまっています。

地域別では、特にサハラ以南のアフリカや南アジアで厳しい状況となっていて、およそ9割の子どもが自宅からインターネットに接続できない環境にいるということです。

報告書は、およそ2億5000万人が新型コロナウイルスによる休校措置などの影響を受けており、多くの子どもがオンラインでの学習に頼らざるを得なくなっているとしています。

ユニセフのフォア事務局長は「インターネットへの接続の欠如は、次世代の未来を犠牲にする」と述べて、教育の機会が失われるとの懸念を示し、通信環境の整備が緊急に必要だと訴えています。