10月の有効求人倍率は1.04倍 新規求人は10か月連続減

ことし10月の有効求人倍率は1.04倍と前の月をわずかに上回りました。企業からの新規求人は、去年の同じ月より10か月連続で減少していて、厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響が長期化する中で企業からの求人が減少する傾向は変わっておらず、先行きは不透明だ」と話しています。

厚生労働省によりますと、仕事を求めている人1人に対して企業から何人の求人があるかを示すことし10月の有効求人倍率は1.04倍となり、前の月より0.01ポイント上がりました。

全国のハローワークにある企業からの求人、「有効求人数」は209万7019人と去年の同じ月より63万3008人、率にして23.2%減少しています。

このうち、10月に出された企業からの新規求人は78万8994人と去年の同じ月より23万8764人、率にして23.2%減りました。

新規求人が去年の同じ月より減少したのは10か月連続です。

新規求人の減少を産業別で見ると、
▽宿泊、飲食サービス業は38.2%、
▽生活関連サービス業、娯楽業は35.4%、
▽卸売業、小売業は32.6%、
▽製造業は29.4%などとなっています。

有効求人倍率を都道府県別でみると、最も高いのは福井県で1.49倍、次いで岡山県で1.44倍、島根県で1.36倍などとなっています。

一方、最も低かったのは、沖縄県で0.66倍、神奈川県で0.75倍、滋賀県で0.81倍などとなっています。

有効求人倍率が1倍を下回ったのは、15の道と県になっています。

厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響が、長期化する中で企業からの求人が減少する傾向は変わっていない。感染が再び広がり、求人数にどこまで影響が出るのか注視する必要がある」と話しています。

加藤官房長官「新型コロナ 雇用への影響一層注意」

加藤官房長官は、午後の記者会見で、「雇用情勢には厳しさがみられ、有効求人倍率が1倍を下回る地域もあり、新型コロナウイルスが雇用に与える影響に、引き続き一層注意していく必要がある」と述べました。

そのうえで、「感染対策に万全を尽くし、経済を回復させていくため、経済対策や補正予算案の策定に向けた検討が行われている。医療機関や雇用、事業の支援、近年の災害に対応した国土強じん化、ポストコロナに向けたデジタル化や脱炭素化など、経済の回復に向けて十分な内容となるよう、関係省庁が一体となって検討している」と述べました。