富山県 自殺者が去年比で3倍増 予防対策を前倒し コロナ影響か

富山県で先月、自殺者が急増したことを受け、県は新型コロナウイルスの感染拡大などが影響している可能性があるとして、インターネットで自殺をほのめかすことばを検索すると、相談窓口の案内が表示される予防対策を予定より前倒しして30日から始めました。

この対策はインターネット上で「死にたい」など、自殺をほのめかすことばを検索すると、富山県の特設WEBサイトにつながり、悩みや不安の相談を受け付ける「富山県心の健康センター」などの、電話番号が表示される仕組みです。また、特設サイトでは生活や仕事、妊娠や育児など具体的な悩みの内容に合わせた相談窓口も紹介されています。

この取り組みは通常は年に3度それぞれ1か月間、行われ、次は来年3月に実施することになっていました。しかし、自殺者が急増していることを受けて富山県は予定を前倒しして、30日から今年度末までの4か月間、行うことを決めました。

富山県によりますと、県内で先月自殺した人は26人と、去年の同じ時期に比べて3倍余り増え、増加率は全国で最も高くなっています。

要因について県は、断定はできないとしたうえで、新型コロナウイルスや、芸能人の相次ぐ自殺などが影響している可能性があるとしています。

富山県健康課の菊地正寛課長は「大変憂慮すべき事態となっている。若い人は特にスマホなどで情報を見る機会が多く、悩んでいる人が少しでも相談窓口にアクセスしやすくなればと思っている」と話しています。