5人に1人が「睡眠の質が悪化」 新型コロナによる生活変化影響

新型コロナウイルスの感染拡大で暮らしが大きく変化する中、5人に1人が睡眠の質が悪くなったと感じているという調査結果がまとまりました。

健康に関する情報を発信している医師や企業などで作る「ウーマンウェルネス研究会」はことし7月、コロナ禍の睡眠に関する意識について、首都圏に住む882人にインターネット上で調査しました。

その結果、感染拡大後に「睡眠の質がとても悪くなった」と「やや悪くなった」と回答した人が合わせて22.3%で、5人に1人に上りました。

また「以前と変わらず悪い」という人も40.9%に上り、全体の6割を超える人が睡眠の質が悪いと感じていることがわかりました。
睡眠の質が悪くなった人の悩みとしては、「眠りが浅い」「夜中に何度も起きる」「寝ても疲れが取れない」といった回答が多く、深い睡眠がとれていない傾向がうかがえます。
原因については、「不安やストレスで考えごとが続く」という回答が最も多く、次いで「遅寝遅起きの習慣化」などとなっています。
調査を監修した国立精神・神経医療研究センターの栗山健一部長は、まずは、コロナ禍で乱れた生活リズムを整えることが大事だと指摘していて、具体的には、起床時間を一定にし、起きてすぐベランダに出るなど、朝の光を浴びるのがよいということです。

朝、光を浴びてからおよそ14時間後に睡眠を促進するホルモン「メラトニン」の分泌が始まるので、メラトニンの分泌が高まった状態で就寝することが、スムーズに眠ることにつながるということです。

このほか、▽寝る1時間から2時間ほど前に40℃くらいのぬるめのお風呂に入ったり、▽寝る前に蒸しタオルなどで目元を温めたりしても、寝つきの改善が期待できるということです。

栗山さんは「睡眠の質が低下するとかぜをひきやすくなる傾向もある。寝る前は、仕事のメールチェックや暗いニュースを長時間見るのは避けて、ストレッチをしたりゆったりとした音楽を聞いたりしてリラックスすることが大切だ」と話しています。