自衛隊 航空観閲式「組織の縦割り排し取り組みを」首相

菅総理大臣は自衛隊の航空観閲式で訓示し、引き続き新型コロナウイルス対策の医療支援などに積極的に取り組むよう求めたうえで、宇宙やサイバー分野での防衛能力強化など多様化する任務に組織の縦割りを排して取り組むよう指示しました。

観閲式は埼玉県の入間基地で行われ、菅総理大臣がおよそ800人の自衛隊員を前に訓示しました。

この中で、菅総理大臣は「新型コロナウイルス感染症との闘いに総力を挙げて取り組んでいる。自衛隊は知見と能力を生かし『ダイヤモンドプリンセス号』や自衛隊病院などで対応してきており、引き続き、積極的な活動を期待する」と述べました。

そのうえで、菅総理大臣は「56年前、東京オリンピックの開会式で上空に五輪を描くという、世界で誰も成し遂げたことのなかった任務に航空自衛隊が挑戦した。来年の夏、人類がウイルスに打ち勝った証として東京オリンピック・パラリンピックを開催する決意だ」と述べました。

さらに、菅総理大臣は「安全保障環境は厳しさを増しており、宇宙やサイバー、電磁波といった新たな領域での対応が求められている。組織の縦割りを排し、陸・海・空・自衛隊の垣根を越えて、取り組むことが重要だ」と述べました。

ことしの観閲式は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため規模を縮小して行われ、ヘリコプターや戦闘機などが上空を並んで飛行する観閲飛行や来賓の招待は見送られました。

この後、菅総理大臣は、電波情報を収集できる航空機など、部隊を視察したほか、今年度、退役する戦闘機の操縦席に、実際に乗り込むなどしていました。