「勝負の3週間」最初の週末 都内近場で過ごす人も 新型コロナ

政府が「勝負の3週間」として新型コロナウイルスの感染拡大の対策を呼びかけて最初の週末、都内では遠出を避け、近場で過ごす人の姿が見られました。

東京 文京区にある庭園「六義園」は、都内でも有数の紅葉の名所として知られ、例年はこの時期1日1万人以上が訪れます。園ではことしは、新型コロナウイルスの感染対策で密を避けるため、予約制にして入場者数を例年の半分程度に絞ったということです。

夫婦で訪れた都内の78歳の男性は「遠出をさけて妻と2人で自然を楽しみにきました。感染が広がっていて年末は友人や孫と会う機会も作れなそうで残念です」と話していました。

また近くに住む60歳の女性は「近くなので毎年来ています。勝負の3週間、対策をしっかりして過ごしたいと思っています。入場制限はよいと思います」と話していました。

園を運営する六義園サービスセンターの照井進介センター長は「感染が拡大していますが、お客さんのニーズもあり対策を徹底して開園しています。入場制限してソーシャルディスタンスを保ったうえで楽しんでほしい」と話していました。

一方、感染が拡大する中、悩んだ末に開催に踏み切るイベントもありました。

革靴の産地でもある東京 台東区にある玉姫稲荷神社の境内には28日、周辺のメーカーが集まり、通常よりも安い価格で靴を販売するイベントが開かれました。会場では出店者も来場者も検温を行っていました。

ことしの春は販売イベントを中止し、今回も中止を検討しましたが、外出自粛で靴の需要が落ち込み受注も3分の1ほどに激減していて倒産する企業も出ているということです。こうした窮状を踏まえて、対策の徹底を前提に開催を決めたと言うことです。

主催者の1人でみずからも靴メーカーを経営する轟豊藏さんは「悩みに悩んだ末売り場を確保するため開催を決断しました。本来年末は受注が増える時期だが落ち込んだままです。勝負の3週間ですが感染対策を徹底して販売も行いたい」と話していました。

買い物に来た近くに住む30歳の女性は「自粛を突き詰めるときりがないし、地域の活性化には対策をしたうえでこうしたイベントを開くのは大事だと思います」と話していました。

営業時間短縮の飲食店は

新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受けて、東京都は、島しょ部を除く23区と多摩地域の酒を提供する飲食店とすべてのカラオケ店を対象に28日から営業時間を午後10時までに短縮するよう要請します。

新橋駅前のSL広場近くで広島の日本酒などを提供している立ち飲み屋では、ふだんは午後11時ごろまで営業していますが、28日から午後10時に閉店をすることにしています。

店主の芳賀徳之信さんは、閉店が早いと会社帰りのサラリーマンらが来られなくなり、経営には打撃だとしたうえで「感染対策なので要請には応じるのはしかたないが以前の外出自粛や営業時間の短縮で売り上げが半減していて、先月ごろから徐々に戻ってきたところで影響は大きいです。行政からもコロナの収束についての明るい話題が何も無いので不安です」と話していました。