河井案里議員公設秘書 有罪確定へ 検察は当選無効の行政訴訟へ

河井案里参議院議員の公設秘書が去年の参議院選挙で運動員を買収した罪に問われた裁判で、最高裁判所は秘書側の上告を退ける決定をし、執行猶予のついた懲役1年6か月の判決が確定することになりました。検察は近く、連座制を適用して案里議員の当選の無効を求める行政訴訟を起こす見通しです。

河井案里参議院議員の公設第2秘書、立道浩被告(55)は、去年7月の参議院選挙でいわゆるウグイス嬢らに法律の規定を超える報酬を支払ったとして公職選挙法違反の運動員買収の罪に問われ、弁護側は連座制の対象にならない罰金刑が妥当だと主張しました。

1審の広島地方裁判所と2審の広島高等裁判所はいずれも「違法な報酬の支払いを指示していて、罰金刑にすべきではない」などとして、懲役1年6か月、執行猶予5年を言い渡し、弁護士が上告していました。

これについて最高裁判所第1小法廷の山口厚裁判長は、28日までに上告を退ける決定をし、有罪判決が確定することになりました。

検察は近く、連座制を適用して案里議員の当選を無効にするよう求める行政訴訟を起こす見通しです。

連座制と当選無効の行政訴訟

公職選挙法では、候補者本人が選挙違反をしていなくても、家族や陣営の関係者が選挙違反の罪に問われて有罪となった場合に、候補者本人にも責任を取らせるため、当選を無効にしたり失職させたりする制度が設けられています。「連座制」と呼ばれる制度です。

具体的には候補者の親族や秘書が禁錮以上の刑が確定した場合、連座制の対象となります。また、選挙運動の計画を立てたりスタッフを監督したりする「組織的選挙運動管理者」が禁錮以上となった場合や選挙運動の全体を指揮する「総括主宰者」が罰金以上となった場合なども連座制の対象となります。

これらの連座制の対象となる被告が刑事裁判で有罪が確定しても、直ちに候補者本人の当選が無効になるわけではありません。当選を無効にするには、刑事裁判で有罪が確定してから30日以内に検察が高等裁判所に候補者本人を相手に当選の無効を求める行政訴訟を起こす必要があります。

裁判の結果、検察の主張が認められると、候補者の当選が無効となり、5年間、同じ選挙区での立候補が禁止されます。総括主宰者や出納責任者など陣営の幹部の有罪が確定した場合は、検察が行政訴訟を起こさなくても当選が無効になるというより厳しい規定もあります。この場合は逆に、候補者本人が連座制を適用しないよう求める裁判を起こさないと失職することになります。

今回の事件で検察は立道秘書が河井案里議員の陣営の「組織的選挙運動管理者」に当たるとしています。

禁錮以上の刑が確定することになったため、連座制が適用されるとして、検察は近く、案里議員の当選の無効を求める行政訴訟を起こす見通しです。