新型コロナ感染拡大 難病団体「必要な医療維持を」要望書

新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、必要な医療が受けられなくなることが懸念されています。全国の難病などの患者会で作る団体は、すべての患者が必要な時に必要な医療を受けられる体制を維持するよう、国に求める緊急の要望書を出しました。

緊急の要望書は、全国93の難病や慢性の病気の患者会で作る「日本難病・疾病団体協議会」が出しました。

それによりますと、難病や長期に継続的な治療を必要とする慢性の病気の患者は全国に数百万人いて、新型コロナウイルスの感染拡大による医療体制のひっ迫で、悪影響が懸念されるとしています。

このため、協議会ではすぐに感染対策を強化し、すべての患者が必要な時に必要な医療を受けられる体制を維持することや、そのための資金や人手を確保することなどを国に対して強く求めました。

新型コロナウイルスの入院患者や重症患者は増加し、政府の分科会はこのままの状況が続けば、通常では助けられる命が助けられなくなるとしていて、協議会によりますと、患者が通院や治療の延期を余儀なくされたり、感染のリスクをおそれて受診を控えたりするケースが出てきているということです。
難病の自己免疫性疾患の患者で、協議会の辻邦夫常務理事は「定期的に治療を受けないと症状が悪化する人が多く、医療機関に行けなくなることは、そのまま命の危機に直結する。命を救うためすぐに対策を打ってもらいたい」と話しています。