新興企業への知的財産権提供など不当要求 独禁法違反のおそれ

公正取引委員会は、大企業がスタートアップ企業との取り引きの中で、営業上の秘密の無償開示や知的財産権の無償提供を不当に要求することは、独占禁止法に違反するおそれがあるとした報告書を公表しました。

公正取引委員会は、スタートアップ企業と大企業の取り引きの実態把握のため、ことし2月から6月にかけてスタートアップ企業5500社余りにアンケート調査を行い、大企業などから納得できない行為を受けた経験があると答えた企業が17%に上りました。

具体的には、正当な理由がなく営業上の秘密を無償で開示するよう要求されたり、知的財産権を無償で提供するよう求められたケースがあったとしています。

応じない場合は、大企業側から出資の引き揚げなどを示唆されることもあり、今後の取り引きや資金繰りへの懸念から多くの企業がこうした行為を受け入れ、不利益が生じたとしています。

公正取引委員会は、こうした行為は優越的地位の乱用などを禁じた独占禁止法に違反するおそれがあると警告していて、問題事例や改善点をまとめた取り引きのガイドラインの案を年内にも作成することにしています。

公正取引委員会取引調査室の栗谷康正室長は「スタートアップによるイノベーションの芽がつまれることを防ぎ、生産性の向上や新規雇用の創出を図りたい」と話しています。