「Go Toトラベル」札幌・大阪市出発の旅行自粛を 菅首相
「Go Toトラベル」をめぐり菅総理大臣は、政府の対策本部で、感染が拡大している札幌市と大阪市を出発地とする旅行について、事業の利用を控えるよう呼びかけるとともに、キャンセル料の負担が生じないよう措置を講じる考えを示しました。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府は27日夜、総理大臣官邸で、菅総理大臣をはじめ、西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席して対策本部を開きました。
この中で、菅総理大臣は「飲食店の時間短縮が極めて重要だ。札幌市に加え、きょうから東京、大阪、名古屋市で、時間短縮の要請が順次、実施される。ご協力をいただいた、すべての店舗に対し、国として、しっかりと支援していく」と述べました。
また、「Go Toイート」について「政府からの要請に対応し、10の都道府県で新規販売を停止し、9つの都道府県で4人以下の人数制限を実施している」と述べました。
一方、感染が拡大している、札幌市と大阪市を目的地とする旅行を除外している「Go Toトラベル」をめぐり、2つの市を出発地とする旅行について、事業の利用を控えるよう呼びかける考えを示しました。
そのうえで、キャンセル料については、利用者やホテル、旅館の負担が生じないよう、措置を講じる方針を示しました。
また、菅総理大臣は医療提供体制のひっ迫に対応するため、各都道府県で計画に沿って、早急に病床の確保を進めるとともに、より入院の必要性の高い人を優先するよう、自治体の運用を徹底させる考えを示しました。
さらに、感染拡大地域で保健所に派遣するための専門職を、これまでの倍の1200人確保しているとして、必要な支援を行うほか、重症者の発生を可能なかぎり食い止めるため、高齢者施設などの入所者や従事者に、国の負担で集中的な検査を早急に実施すると強調しました。
そして、菅総理大臣は「各大臣は、この感染拡大を何としても乗り越えながら、国民の命と暮らしを守り抜くため、自治体と緊密に連携し、対策に全力であたってほしい」と指示しました。
吉村府知事「大阪出発の自粛に同意」
これについて、大阪府の吉村知事は、さきほど記者団に対し「府としても国と協力して感染拡大をおさえていきたい考えなので、大阪市からの出発利用の自粛をお願いしたい」と述べ、政府の方針に同意する考えを示しました。
キャンセル料の扱いは?
これに伴って旅行を取りやめた場合、キャンセル料の扱いはどうなるのでしょうか。
Go Toトラベルをめぐって、政府は感染が拡大している札幌市と大阪市を目的地とする旅行を、今月24日から来月15日まで割り引きの対象から外しています。
一方、札幌市と大阪市を出発地とする旅行は、対象から除外していませんが、政府は27日、札幌市と大阪市に住む人に対し、来月15日までは旅行を控えるよう呼びかけました。
旅行を控える呼びかけの対象は新規の予約だけでなく、すでに予約済みの旅行も含まれます。
これを受けて、札幌市や大阪市に住む人が予約をキャンセルした場合、利用者に負担が出ないように国はGo Toトラベルの事業費から補償するとしています。
具体的には、来月7日までに利用者がキャンセルの手続きを取れば、旅行会社や宿泊施設などからキャンセル料を請求されることはないということです。
そして、来月7日までにキャンセルされた旅行については、国が事業者に原則として代金の35%を損失とみなして一律、補償する仕組みです。
このため、観光庁はキャンセル料を支払うことなく、予約を確実に取り消すには、来月7日までに手続きを済ませるよう利用者に呼びかけています。