愛知県 大村知事「Go Toイート」新規発券一時停止を発表

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、愛知県は、今月29日から来月18日まで、名古屋市中心部の繁華街にある一部の飲食店などに営業時間の短縮と休業を要請することを決めました。また、「Go Toイート」のプレミアム付き食事券について、感染状況が落ち着くまで、新規の発券を一時停止すると発表しました。

愛知県の大村知事は、26日午後、記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染が県内で再び広がっていることを受けて、今月29日から来月18日まで、名古屋市中心部の繁華街にある一部の飲食店などに営業時間の短縮と休業を要請することを決めたと発表しました。

対象地域は、中区の錦3丁目、栄3丁目の一部、栄4丁目で、県の感染防止ガイドラインを守っている、接待を伴う飲食店と、酒類を提供する飲食店やカラオケ店には、営業時間を午前5時から午後9時までの間とするよう求めるとしています。

要請に応じた店などに対しては、1日当たり2万円、最大で40万円の「協力金」を県が支払うということです。

また、県のガイドラインを守っていない飲食店などに対しては、休業を要請するということです。

また、外食需要を喚起する「Go Toイート」のプレミアム付き食事券については、すでに始まっている「第2期販売」の受け付けは継続するものの、感染状況が落ち着くまで、来月予定している新規の発券を一時停止すると発表しました。

一方で、「Go Toトラベル」については、引き続き、感染状況を注視したいとして、県民の県内旅行を補助する事業と同様に当面、継続する考えを示しました。

さらに、県民に対して、東京などの首都圏と大阪府、それに北海道への不要不急の移動を控えることを求めたほか、感染が拡大している名古屋市中心部などの「都市域」への不要不急の移動もできるだけ控え、自覚を持って適切な行動をするよう呼びかけています。

大村知事は「東京や大阪、北海道などの状況には至っていないが、これから冬に向かって愛知でも厳しい状況が迫っている。クラスターの発生を抑えて感染拡大を防ぎたい」と述べました。

飲食店からは不安の声

愛知県が営業時間短縮と休業を要請する対象となった東海地方最大の歓楽街、錦3丁目の飲食店からは不安の声が聞かれました。

錦3丁目にあるスナックでは、いちどに入る客を1組に制限したうえで、消毒や検温、店の換気や加湿器の設置などの対策を取って、午前1時まで営業しています。

愛知県の要請について、店のオーナーの女性は「またかという感じです。コロナの患者が増えているのでしかたないとは思うし、県が決めたのであれば従わなければいけないと思うが、今回、時短営業するとなると3回目になるし、お客さんが徐々に戻り始めていたのにまた離れてしまうと思うと複雑です」と話していました。

新型コロナウイルスの影響で、客の入りは感染拡大前の2割から3割程度で、売り上げは月に10万円前後にとどまっているということです。

オーナーの女性は「行政には、もっと的確に方針を定めて、一気に収束できる方向に持って行ってほしいと思う。お客様が来なくても家賃とか経費は払わないといけないし、年を越せるのかなというのが正直なところです」と話していました。

名古屋 河村市長「基本的に賛同できない」

愛知県が名古屋市中心部の繁華街にある一部の飲食店などに営業時間の短縮と休業を要請することについて、名古屋市の河村市長は記者団に対し「基本的には賛同できない。商売をやっている人が気の毒だ」と述べました。

また、名古屋市が独自に行っている観光クーポンの発行については、当面、続ける考えを重ねて示しました。