寝屋川 中学1年男女殺害 被告の控訴取り下げ“有効” 大阪高裁

大阪 寝屋川市の中学1年生の男女を殺害し1審で死刑判決を受けた被告がみずから控訴を取り下げたことについて、大阪高等裁判所は有効だと判断し、2審を行わない決定を出しました。今後、この決定が取り消されないかぎり、死刑判決が確定することになります。

平成27年に大阪 寝屋川市の中学1年生の男女を殺害し1審で死刑判決を受けた山田浩二被告(50)は、去年5月、拘置所の刑務官とのささいなトラブルをきっかけにみずから控訴を取り下げました。

これに対し2審を担当する大阪高等裁判所の村山浩昭裁判長は、去年12月「あまりに軽率で、このまま死刑を確定させることに強い違和感と深いちゅうちょを覚える」として取り下げを無効とする異例の決定を出しました。

しかし、大阪高裁の別の裁判長が合理的な根拠が示されていないとしてこの決定を取り消し、山田被告本人も控訴の取り下げを求める書面を再び提出していました。

これを受けて改めて扱いを検討していた村山裁判長は26日、「2回目の取り下げに関してはその帰結として死刑判決が確定することを被告は明確に意識し、弁護士の面会も拒否したうえでみずからの判断で書面を出しており、無効と考える余地はない」として2回目の取り下げを有効と判断し、2審を行わないとする決定を出しました。

これにより今後、この決定が被告側の不服申し立てによって取り消されないかぎり、山田被告の死刑判決が確定することになります。

これまでの経緯

5年前、大阪 寝屋川市の中学1年生、星野凌斗さん(12)と、平田奈津美さん(13)が遺体で見つかりました。

殺人の罪に問われた山田浩二被告は、1審の裁判員裁判で突然、遺族に向かって土下座した一方、不合理な主張を展開しました。

判決では死刑が言い渡され、弁護側が控訴しましたが、去年5月、山田被告は、みずから控訴を取り下げる書面を大阪高等裁判所に提出しました。

きっかけは拘置所の職員とボールペンの貸し借りをめぐってトラブルになったことで、この取り下げが有効とされれば死刑判決が直ちに確定することになります。

これに対して弁護士が無効とするよう申し立て、2審を担当する大阪高裁の村山浩昭裁判長は去年12月、「ささいなトラブルで自暴自棄になった被告のあまりに軽率になされた取り下げだ。このまま死刑判決を確定させてしまうことには強い違和感と深いちゅうちょを覚える。今回にかぎり、無効とする」という異例の表現で山田被告の取り下げを認めず2審を行う決定を出しました。

しかし、この決定について検察が異議申し立てを行い、大阪高裁の別の裁判長は「違和感やちゅうちょというのは合理的な根拠になりえない」として取り消しました。

さらにこの直後には、山田被告自身が、再び控訴を取り下げる書面を提出しました。

このためいったんは取り下げを無効とした村山裁判長が扱いを検討し直していました。

被告の弁護士はコメントせず

山田被告の弁護活動をしていて、控訴の取り下げを無効とするよう申し立てた辻川圭乃弁護士は、26日の決定について「コメントはありません」としています。

大阪高検「妥当な決定」

26日の決定について、大阪高等検察庁の畝本毅次席検事は「当方の主張が認められ、妥当な決定だ」とするコメントを出しました。

遺族代理人のコメント

事件で亡くなった平田奈津美さんの遺族の代理人を務める平瀬義嗣弁護士は、26日の決定について「ご遺族は本日までのおよそ1年半1日でも早く結論を出してほしいという思いで過ごされていました。悲しみが癒やされることはありませんが、この決定で裁判が終結することはご遺族の心情の安定につながると考えています」とコメントしています。

また星野凌斗さんの遺族の代理人を務める奥村昌裕弁護士は、コメントを差し控えるとしています。