参院予算委 集中審議 「新型コロナ」などで論戦

国会では、衆議院に続いて、午後は、参議院予算委員会でも集中審議が行われました。菅総理大臣は、新型コロナウイルスの感染拡大で重症者数の増加傾向が続き、一部地域では、受け入れ病床に対する割合が高い水準になっているとして、地方自治体とも連携しながら、対策を講じていく考えを示しました。

自民 自見氏「Go To 札幌 大阪対象外について」

自民党の自見英子氏は、政府が「Go Toトラベル」の対象から札幌市と大阪市を目的地とする旅行を外したことについて、「このタイミングでの判断は、医療機関のひっ迫した状況に配慮したうえでの英断だ。命と暮らしを守るため、経済と医療への支援の決意を聞きたい」と質問しました。

これに対し、菅総理大臣は「政府の最大の責務は、国民の命と暮らしを守ることだ。同時に、雇用を守り、事業を継続させていくことも、極めて大事だ。感染拡大防止を徹底したうえで、経済社会を両立させていく。国民の皆さんには、スーパーコンピューター『富岳』でも、マスクは効果があることが立証されているので、ご協力をいただきたい」と述べました。

立民 福山幹事長「『桜を見る会』懇親会について」

立憲民主党の福山幹事長は「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会に関連して、「菅総理大臣は、安倍政権の官房長官として、結果として、虚偽の答弁をせざるを得なかった。『虚偽答弁をして申し訳ないことをした』という思いはあるのか。事実関係を安倍前総理大臣に確認し、答弁に備えるのが普通ではないか」とただしました。

これに対し、菅総理大臣は、「安倍前総理大臣の関係団体のことであり、私は確認しつつ、答弁してきた。仮定について答える立場ではないが、事実が違った場合は、当然、私にも、答弁した責任があり、そこは対応するようになる。ただ、捜査機関の活動内容に関わることについて、私が確認して答弁する立場にはない」と述べました。

公明 河野氏「新型コロナ感染拡大について」

公明党の河野義博氏は、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、「患者数が増え、重症者数も増えている。医療体制がひっ迫している地域がないのか。あれば、配慮しなければならない」とただしました。

これに対し、菅総理大臣は、「重症者数の増加傾向が続いており、確保済みの受け入れ病床に対する割合も上昇が続き、一部地域では、高水準になっている。各都道府県は、地域の感染拡大の状況に応じ、計画に沿って病床の確保を進めており、政府としても状況を日々把握し、必要な対応を行っている。地方自治体ともさらに連携を強化し、地域の実情に応じた、万全の対策を講じていく」と述べました。

維新 片山氏「行政のデジタル化について」

日本維新の会の片山大介氏は、政府が進める行政のデジタル化について、「いちばん大切だと思うのは、政府が情報を取り扱うことに対する国民の信頼度だ。しかし、政府への信頼がなく、変えていかなければならない」と指摘しました。

これに対し、菅総理大臣は「行政の信頼が損なわれていることは、大変遺憾だ。適正で、円滑な行政運営に努めていくことが極めて大事で、今後はしっかり対応していく。役所に行かずともあらゆる手続きができ、地方にいながらも都会と同じような仕事や生活ができる社会の実現を目指して、官民のデジタル化を加速していく」と述べました。

国民 上田氏「経済状況について」

国民民主党の上田清司氏は、経済状況について、「菅総理大臣は、所信表明で、『バブル崩壊以降、最高の経済状態を実現した』と演説したが、『そんなことはないだろう』というのが私の実感だ。GDPの推移を各国で比較しても、日本だけ、ほぼ平行だ」と指摘しました。

これに対し、菅総理大臣は、「政権交代して安倍政権になり、『アベノミクス』という3本の矢からスタートさせた。コロナウイルスが来る前までは、全国どこへ行っても、働きたいところで働くことができた。GDPも、名目、実質とも過去最大で、地方の地価も、27年ぶりに上向きになったから、そのような表現をした」と述べました。

共産 田村政策委員長「『桜を見る会』懇親会めぐり」

共産党の田村政策委員長は、「桜を見る会」の前日夜の懇親会をめぐり、「『桜を見る会』への招待なしに、前夜祭はありえず、これはセットだ。局面は変わり、『桜を見る会』についても調査をすべきで、真相究明を、菅政権として行うべきだ」とただしました。

これに対して、菅総理大臣は、「『桜を見る会』については、必要な調査をすでに行っており、国会においても説明してきた。現在、捜査が行われているということであり、政府としては、控えるべきだと思う」と述べました。