NTT東日本 美術作品をデジタル化し配信する事業に参入へ

NTT東日本は、12月から絵画などの美術作品をデジタル画像などで配信する事業に参入します。新型コロナウイルスの影響で来場者が減っている美術館や博物館の作品をデータ化してオンラインで楽しんでもらうねらいです。

NTT東日本は12月1日に新たな会社を設立し、美術館や博物館などから依頼を受けて所蔵する美術作品をデジタル化し配信する事業に参入します。

新型コロナウイルスの影響で美術館や博物館を訪れるのを控えている人が、どこにいてもオンラインで美術作品を楽しめるようにするねらいです。

25日は新会社の社長に就任するNTTレゾナントの国枝学デジタルマーケティング事業部長が記者会見し、「美術作品の新しい鑑賞方法が求められている。将来は美術館を訪れる人も増やして地域活性化につなげたい」と述べました。

また、25日はデジタル化した絵画も公開されました。

このうち山梨県立博物館が所蔵する葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」は、20億画素の高精細でモニター上に再現され、細部を拡大すると色使いや凹凸まで鑑賞できます。

会社では今後、新型コロナウイルスの影響で来館者が減っている各地の美術館や博物館と連携し、病院や介護施設でデジタル化した作品を展示するなどしたいとしています。

「美術品の価値を守れる 連携は重要」

NTT東日本が美術作品をデジタル化する事業を始めることについて、新型コロナウイルスの影響で来館者が減り苦しい運営が続いている各地の博物館や美術館は期待を寄せています。

このうち、山梨県立博物館は27万点の絵画や史料を所蔵していますが、新型コロナウイルスの影響でことし2月から5月にかけて休館を余儀なくされました。

その後、再開したものの、このところ来館者は例年の7割程度に落ち込み、苦しい運営となっています。

このため、博物館では作品を見てもらう機会を増やそうと、NTT東日本とともに所蔵する葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」をデジタル化しました。

博物館の森原明廣学芸課長は「コロナの時代にたくさんのお客さんに来てもらうことは難しくなり、博物館にとっても学芸員にとっても痛手となっている。文化財を高い技術で複製し、高速・大容量の通信で世界中の人に見てもらうことは非常に意義があり、セキュリティーを含め、美術作品の価値を守れる通信との連携は重要だ」と話しています。