来年度予算 給付金終了し企業の業態転換など支援を 財政審提言

国の財政制度等審議会は、来年度予算案の編成に向けた提言を取りまとめました。新型コロナウイルスへの対応で、財政状況が一段と悪化していることを踏まえ、非常時の給付金による支援から、生産性の向上に取り組む企業などへの支援に、軸足を移すべきだとしています。

財政制度等審議会は25日、国の来年度予算案の編成に向けた提言を財務省に提出しました。

新型コロナウイルスへの対応で、今年度の一般会計の歳出規模は、過去最大の160兆円余りに膨らみ、歳入の56.3%を国債に頼る過去最悪の状況です。

こうした状況を踏まえ、提言では「新型コロナなど事前には予測できなかった出来事が、数年に1度のペースで発生している。大きなリスクにも耐えうる回復力を兼ね備えた、財政を作っていくことが求められている」と指摘しています。

そして、非常時の支援を常態化することは、政府の支援への依存を招くと弊害を指摘したうえで「財政支出を増やせば持続的な経済成長が起きるといった単純な話ではない。単なる給付金といった支援からウィズコロナ・ポストコロナを見据えた経済の構造変化への対応や、生産性の向上に取り組む主体の支援へと軸足を移すべきだ」と提言しています。

具体的には、中小企業に対して最大200万円を支給する「持続化給付金」や、賃料の負担を軽減する「家賃支援給付金」を、来年1月の申請期限をもって予定どおり終了させ、業態転換などを行う企業を支援する必要があるなどとしています。

財務省は提言の内容を踏まえて、予算編成の詰めの作業を急ぐことにしています。