NYダウ平均株価 史上初の3万ドル大台に

24日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価は大きく値上がりし、史上初めて3万ドルの大台に乗せました。新型コロナウイルスの影響でことし2月に急落したあと回復を続け、今月に入ってから急速に値上がりしましたが、アメリカで感染が再拡大する中、実体経済とのかい離を指摘する声もあります。

24日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、前の日に比べて454ドル97セント高い、3万46ドル24セントで、史上初めて3万ドルの大台に乗せました。

この日は新型ウイルスのワクチン開発への期待や、アメリカでの政権移行手続きが進むのではないかという見方から取り引き開始直後から大きく値上がりし、3万116ドルまで上昇しました。

ダウ平均株価は、新型ウイルスの感染拡大でことし2月末以降急落しましたが、中央銀行による大規模な金融緩和を背景に回復を続けました。

そしてワクチン開発への期待などから今月に入ってからさらに上昇し、感染拡大前のことし2月につけた最高値を更新していました。

ダウ平均株価は「優良株」とも言われる大手30社の株価で構成され、アメリカ経済の動向を見る上でも重要です。

そのアメリカ経済は、感染が再び拡大する中、雇用も十分には戻っておらず、市場関係者などからは、「景気回復のペースが鈍っている実体経済とはかけ離れた値動きとも言える」といった声も聞かれます。

専門家「実体経済とのかい離は事実」

これについて、米国野村証券の雨宮愛知シニアエコノミストは「株価は、企業活動の先行きを見通して動いているので、新型ウイルスのワクチンが普及したあとの企業収益などを見越しての株価上昇だ。合わせて、大規模な金融緩和が支えている中での3万ドル到達と見ている。ただ、感染が再拡大している足元の景気や、さらに今後、半年くらいのアメリカの景気の谷の深さがはっきりしない中では、実体経済とのかい離が出ているのも事実だ。したがって、今の株価上昇をすべて正当化するのは難しいかもしれない」と話しています。

「ダウ平均株価」とは

ダウ平均株価は「ダウ工業株30種平均」と呼ばれるもので、いわゆる「優良株」とされるアメリカの30の企業の株価から算出される世界で最も有名な株価指数です。

アメリカのダウ・ジョーンズ社が1896年にアメリカ企業12社の株価の平均を算出したのが始まりとされ、構成する銘柄は経済や産業構造などを背景に、常に組み替えられています。

おととし6月には、それまで111年にわたってダウの銘柄を構成していた発電所のタービンなどを製造するGE=ゼネラル・エレクトリックが、またことし8月には、石油大手のエクソンモービルなど3社が除外されました。

現在の30社を見てみますと、ボーイング、ゴールドマン・サックス、ウォルマート、コカ・コーラ、マクドナルド、ウォルト・ディズニー、ナイキ、アップルなど、製造業からIT、小売り、金融など多岐にわたっています。

これらの企業はアメリカを代表するだけでなく、世界で事業を展開する「グローバル企業」と言ってよく、ダウ平均株価の値動きは世界経済の動向を見る上でも重要とされています。

ことし1月には、アップルの株価がボーイングを抜いてダウの中で最も高くなり、「伝統的な製造業に代わってIT関連企業が産業界の『顔』になった」と象徴的に伝えられました。

一方、ダウ平均株価のほかにも、IT関連企業の多い「ナスダック」、それにより幅広くおよそ500社の株価の動きをまとめた「S&P500」といった株価指数があります。

トランプ大統領「国民を祝福したい」

ニューヨーク株式市場でダウ平均株価が初めて3万ドルを超えたことを受けて、トランプ大統領は急きょ記者会見を行い「国民を祝福したい」と述べました。

トランプ大統領は24日、ホワイトハウスで急きょ記者会見を行い、「皆を祝福したい。ダウ平均株価は史上最高値の3万ドルを記録した。パンデミックによって起きたことがあったにもかかわらずだ」と述べました。

そのうえで、「3万ドルというのは、誰も見ることがないと思った神聖な数字だ。懸命に働いた政権内のすべての人たちにお祝いのことばを述べたい。そして最も重要なのは、国民の皆さんを祝福したい。本当にありがとう」と述べました。

トランプ大統領は1分ほど話をしたあと、質問を受け付けずに記者会見場を後にしました。

トランプ大統領としては株価の上昇を自身の政権の成果だと強調したい思惑もあると見られます。