医療事故調査行われず 遺族からの調査要望 過去5年間で110件超

患者の死亡事故が起きた医療機関に、原因の調査などを義務づけた「医療事故調査制度」で調査が行われず、遺族などが第三者機関を通じて調査を求めた事例が過去5年間で110件を超えていたことが分かりました。第三者機関は「医療機関は患者側がリスクを理解できるよう、丁寧な説明を行う必要がある」としています。

平成27年10月に始まった「医療事故調査制度」では、すべての医療機関に対し、医療事故で患者が死亡した場合、第三者機関の「日本医療安全調査機構」に報告したうえで、原因を調査するよう義務づけています。

一方、対象となるのは、医療機関が死亡を予期できなかった場合に限られ、調査を行うかどうかは医療機関の判断に任されています。

機構によりますと、医療機関による調査が行われず、遺族などから「調査をしてほしい」と要望を受けて医療機関に伝えた事例が、ことし9月までの5年間に115件に上ったということです。

日本医療安全調査機構の木村壯介常務理事は「医療機関がしっかり対応することを前提に始まった制度なので、患者側がリスクを理解できるよう丁寧に説明を行うなど、医療機関も、より対応する必要がある」と話しています。

遺族「再発防止にも 娘の死を教訓に」

ことし9月に、機構を通じて調査を要望した金坂康子さん(60)です。

おととし、関西の病院で脳血管の手術を受けた長女の真希さんが、こん睡状態になり21歳で亡くなりました。

病院側は「死亡することが予期できた事例で、制度の対象外だ」と説明しているのに対し、金坂さんは再発防止のためにも、死亡した詳しいいきさつを明らかにしてほしいと訴えています。

金坂さんは「本当にショックで、何が起こったのかを知りたい一心でした。娘の死を教訓として、次につなげていただきたいという思いが、本当にあります」と話しています。