休場相次ぐ鶴竜と白鵬に「注意」の決議 横綱審議委員会

大相撲の横綱審議委員会は、休場が相次いでいる鶴竜と白鵬の両横綱に対して「注意」の決議をしました。

横綱審議委員会は、23日夕方から東京 両国の国技館で会合を開き、日本相撲協会の八角理事長から11月場所の力士の戦いぶりなどについて報告を受けたあと、休場が相次いでいる鶴竜と白鵬の両横綱について意見を交わしました。

鶴竜は腰やひじのけがなどで3場所連続で休場し、白鵬も右ひざの手術の影響などで自身初めて3場所連続で休場していていずれもおととし11月の九州場所以降、開催された12場所のうち、8場所を休場しています。

会合のあと横綱審議委員会の矢野弘典委員長は、鶴竜と白鵬の両横綱に対して「注意」の決議をしたことを明らかにしました。

矢野委員長はこの2年間で、両横綱がともに3分の2に当たる場所を休場していることを指摘したうえで、この間、白鵬が3回、鶴竜が1回、優勝していることを考慮しても「休みがあまりにも多い。横綱の責任を十分に果たしているとは言えない」と苦言を呈しました。

そして「第一人者にふさわしい自覚を持ち、行動によってそれを示してほしい。注意を与えて奮起を促すものであり、来場所にはぜひ覚悟を決めて備えていっていただきたい」と厳しく自覚を求めました。

横綱審議委員会は内規で、横綱が休場が多い場合や横綱として非常に不成績でありその位に堪えないと認めた場合などに「激励」や「注意」、それに「引退勧告」などを決議するとしています。

「激励」の決議は、おととし九州場所後に横綱 稀勢の里に出されたことがありますが、より踏み込んだ「注意」が決議されたのは初めてです。

白鵬と鶴竜 実績に違いも同時に決議

横綱審議委員会は、白鵬と鶴竜のこの2年間の休場回数を理由に同時に「注意」を決議しましたが2人の実績には違いがあります。

白鵬と鶴竜は、いずれも11月場所まで3場所連続で休場しています。

鶴竜はこの2年間で千秋楽まで15日間出場したのは4場所で、そのうち優勝は、去年7月の名古屋場所の1回です。

一方、白鵬は、15日間すべて出場した4場所のうち、去年3月の春場所では全勝優勝、さらに去年11月の九州場所、ことし3月の春場所と合わせて3場所で優勝し、いずれも休場明けの場所で復活を印象づけていました。

この2年間で出場した場所での成績に加え、優勝回数も白鵬が44回、鶴竜が6回と実績が異なる横綱2人に対し同時に決議をしたことについて矢野弘典委員長は、「結果は別として、休みがあまりにも多い。過去の業績はきちっと評価するが、相撲界を引っ張っていく、象徴としての横綱にはどんな姿がふさわしいかという意味で、同じそ上で判断した」と説明しました。

横綱審議委員会 過去の決議

横綱審議委員会は内規で、横綱の休場が多い場合や、横綱として非常に不成績でありその位に堪えないと認めた場合などに横綱に対して「激励」や「注意」、「引退勧告」を決議するとしています。

おととしには、8場所連続休場のあと秋場所で10勝を挙げたものの九州場所で初日から4連敗して途中休場した横綱 稀勢の里に対し、横綱審議委員会として初めてとなる「激励」を決議しました。

稀勢の里は、続く平成31年の初場所に進退をかけて出場しましたが初日から3連敗し、4日目の土俵には上がらず引退しました。

また、平成11年の秋場所では、3代目、横綱 若乃花が7勝8敗と負け越した際、横綱審議委員会は初めて横綱本人を委員会に呼び、「次に出場する時には体を万全にして土俵にあがってほしい」と決議ではなく口頭で注意したケースがあります。

一方、不祥事をめぐっては、平成22年に横綱 朝青龍が酒に酔って知人の男性に暴行した問題で、朝青龍がみずから引退を表明したあとに、横綱審議委員会として初めての「引退勧告」を出しました。

また、平成29年12月には、横綱 日馬富士が貴ノ岩に対する傷害事件の責任をとって引退したあと、「引退勧告」に相当すると決議しています。

横審は相撲協会の諮問機関

横綱審議委員会は、昭和25年に設置された日本相撲協会の諮問機関で横綱の昇進をはじめ、横綱に関するさまざまな案件について進言したり、協会からの諮問に答申したりします。

規程では、15人以内の有識者によって構成されるとなっていて、現在の委員は8人で、相撲協会は「委員会の決議を尊重する」と定められています。

また、横綱審議委員会は内規で、
▽横綱の休場が多い場合、
▽横綱としての体面を汚す場合、
▽横綱として非常に不成績でありその位に堪えないと認めた場合のいずれかに該当すると判断した際に、
出席委員の3分の2以上の決議により、横綱に対して「激励」「注意」「引退勧告」を行うとしています。