G20 首脳宣言を採択 コロナで世界経済はより大きな下方リスク

オンライン形式で開かれたG20サミット=主要20か国の首脳会議は、首脳宣言を採択しました。この中で世界経済の現状について、新型コロナウイルスの感染の再拡大などによって、より大きな下方リスクにさらされているとして、強い警戒感を示したうえで、途上国の債務の一部削減を含めた支援の枠組みを承認しました。

首脳宣言では、世界経済の現状について「部分的に回復しているが、ばらつきがあり、不確実性が高く、感染の再拡大などによって、より大きな下方リスクにさらされている」として、強い警戒感を示しました。

そのうえで「世界経済の回復を支援するため、すべての利用可能な政策手段を引き続き用いることを決意する」として、G20各国が結束して世界経済を支えていくことを強調しています。

また、財政状況が厳しい途上国の支援をめぐっては、債務の返済を猶予する期限を来年6月まで延長したうえで、経済見通しの悪化を踏まえて、債務の一部削減を含めた支援の枠組みを承認しました。

ただ、債権国の1つである中国が途上国への融資額を明らかにしないなど、実効性に懸念も出ていて、新型コロナウイルスによる危機への対応で、各国がどれだけ協調できるかが課題となります。

議長のサウジアラビア国王 成果を強調

G20サミット=主要20か国の首脳会議は22日、議長を務めるサウジアラビアのサルマン国王があいさつし、2日間の日程が終わりました。

サルマン国王は、あいさつの中で「われわれは首脳宣言の採択を通じて世界中の人たちに希望と安心のメッセージを送ることができた。G20の成功の基盤となってきた協力の精神を再確認することができた」と述べ、サミットの成果を強調しました。

一方で、新型コロナウイルスの影響で、今回の首脳会議はすべてオンラインで行われるなど、異例の会議となりました。