「Go Toトラベル」政府が見直し 各地の反応は…

「Go Toトラベル」について政府が感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止するなどの措置を導入することになり、日本三景の1つ、宮城県の松島では、再び、観光客が減るのではないかと懸念する声が出ています。

旅館は満室も 今後に不安

3連休の中日の22日、松島の温泉旅館「小松館好風亭」には、多くの家族連れなどが宿泊に訪れていました。

福島県から1歳の男の子と訪れた30代の母親は、「息子が誕生日を迎えたので、新型コロナウイルスが流行し始めてから初めて家族旅行に来ました。旅行中はマスクの着用など感染対策を徹底したい」と話していました。

旅館によりますと、客足は9月以降増加傾向にあり、この3連休では41部屋のすべてが予約で満室だということです。

しかし、21日、政府が新型コロナウイルスの感染拡大地域を目的地にする「Go Toトラベル」の新規の予約を一時停止する措置を導入することを明らかにしてから、この旅館ではキャンセルも入り始めているということです。

旅館の小松篤司専務は「コロナ禍になってから最も多い人出になっていて大変うれしいが、今後、観光需要がさらに下がらないか心配だ」と話していました。

石垣島でも懸念の声

「Go Toトラベル」で政府が感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止するなどの措置を導入することについて、観光客でにぎわう沖縄県石垣島のレジャー業者からは、今後の影響を懸念する声が聞かれました。

22日、沖縄県内では新たに32人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、人口10万人当たりの感染者数は、21日までの1週間で18.74人と全国で4番目に多くなっています。

3連休の2日目の22日、沖縄県石垣島の人気の観光スポット、「川平湾」のある川平公園には大勢の観光客が訪れていました。

名古屋から訪れた女性は「Go Toトラベルを使って感染が落ち着いた時期に沖縄に来たつもりでしたが、第3波の話が出て困惑しています。感染リスクのある行動はとらないようにしたい」と話していました。

地元で船底の一部がガラス張りの遊覧船「グラスボート」を運航している業者によりますと、ことし3月の利用客は去年の同じ時期の1割ほどに落ち込んだものの、「Go Toトラベル」が始まった7月以降は持ち直し、先月は6割ほどまで回復したということです。

グラスボートを運航する「川平マリンサービス」の砂川正作統括部長は、「これから予約のキャンセルなどの影響が出てくると思うが、どれぐらい数字に出るかわからず、今後の見通しが立たない」と話していました。

プロ野球 日本シリーズ開幕中の大阪では…

大阪では22日、プロ野球の日本シリーズが行われ、東京や福岡などから観戦に訪れたファンが、会場の京セラドームに次々に訪れました。

このうち、東京から母親と訪れたという20代の男性は「きょうは『Go Toトラベル』を使って大阪に観戦に来ました。感染が拡大しているのは『GoTo』だけが原因ではないと思うのでこれからも続けてほしい」と話していました。

一方、「Go Toトラベル」を利用して神奈川から友人と訪れたという20代の男性は「大阪は感染が拡大しているので不安がありましたが、前から決めていたので訪れました。こういう状況なので見直すことはしかたないと思います」と話していました。