Go Toイート運用見直し 各地の受け止めは

政府が21日、「Go Toイート」の食事券の新規発行の一時停止の検討を都道府県知事に要請する考えなどを示したことについて、東京都内の飲食店からは理解を示す声や経営への影響を懸念する声が聞かれました。

東京・新橋にある居酒屋では、感染拡大の影響で4月や5月の売り上げは去年の1割から2割ほどになりましたが、先月は「Go Toイート」の効果もあって、去年の7割ほどに回復していました。

経営者の平山徳治さんは「Go Toイート」の運用の見直しについて、「都内の1日の感染者数が500人を超えたあたりから予約のキャンセルが立て続けに入った。『Go Toイート』を続けてもあまり効力はないと思うので、やむをえないと思う。感染者数が減れば再開してほしい」と話していました。

また政府は21日、都道府県が飲食店に営業時間の短縮を要請する際、財政的に支援することも打ち出しました。

9月中旬まで都の要請に応じて営業時間を短縮してきた新橋の焼き鳥店では、都の要請が終了してからも以前よりも営業終了の時間を前倒しし、午後11時までの営業としていますが、先月の売り上げは去年の7割ほどまで回復したということです。
経営者の山科昌彦さんは、「12月は本来稼ぎ時ですが、すでに予約の問い合わせが全く入ってこない状況です。今後、営業時間の短縮を要請されたら感染防止のために応じる考えですが、経営が苦しくなるという不安はすごくあります」と話していました。

大阪の繁華街では…

新型コロナウイルスの感染が拡大する中での3連休初日、大阪・ミナミの繁華街は多くの人で混雑しました。

一方、Go Toキャンペーンの運用見直しについては、「感染拡大を防ぐためにはしかたない」といった声が聞かれました。

大阪府で21日、過去最多となる415人の感染が確認されるなど感染拡大が続く中、大阪・ミナミの繁華街には、多くの人が訪れていました。

和歌山県から来た30代の男性は「みんな感染者の増加を気にしているとは思うが外出もしたいので、マスクをするなど対策をとったうえで出かけるのはいいかなと思います」と話していました。

美容院に訪れたという大阪市の女性は、「できれば混雑するミナミには来たくなかったが、行きつけの店があるのでしかたなく来ました」と話していました。また、Go Toキャンペーンの運用見直しについては、「経済のためとはいえ、感染者が増えたら意味がないので見直したほうがいい」と話していました。

心斎橋にある串カツ店では、消毒を徹底し客席の間隔をあけるなどの感染対策をとったうえで営業しています。

先月は客足が戻ったものの、今月に入って感染者が増加して以降は予約のキャンセルが出ているほか、忘年会の予約も例年に比べて少ないということです。「串処 最上」の料理長、大久保浩彰さんは「Go Toキャンペーンは売り上げの下支えとして助かっていました。続けてほしい気持ちはありますが、今は、感染を抑えるほうが肝心だと思います」と話していました。

札幌では…

Go Toキャンペーンの運用見直しについて、感染拡大が続く札幌市で意見を聞きました。

札幌市の50代の男性は、「見直しはいいこと。感染を広げないためには、いたしかたない」と話していました。また、札幌市の女性も「見直した方がいいと思う。経済をまわさなければいけないけれど、見直しをしないと感染が減らないので難しいです」と話していました。

一方、奈良県から来た20代の男性は、「Go Toトラベルを利用して北海道に来ました。地域貢献の気持ちで楽しませてもらいました。見直しの前に来られてよかったという気持ちもあります」と話していました。