G20サミット あす開幕 コロナ影響でオンライン形式に

G20サミット=主要20か国の首脳会議が、中東サウジアラビアの首都リヤドで、21日に開幕します。新型コロナウイルスの影響からオンライン形式で行われ、日本からは菅総理大臣が参加します。

サウジアラビアが議長国を務めるG20リヤドサミットは、中東の湾岸地域では初めて開催され、各国首脳が一堂に集まる予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響でオンライン形式に変更となりました。

今回のサミットでは、新型コロナウイルスへの対応や停滞する世界経済の回復と人の往来の再開などについて意見が交わされるものとみられます。

これに先立って行われたオンライン形式での閣僚級会合では、財政状況が一段と厳しくなっている途上国に対し、債務の返済猶予に加え、一部削減を含む救済策を取ることなどについて話し合われました。

ヨーロッパやアメリカなどで新型コロナウイルスの感染者が急増するなど、各地でさらなる感染の拡大が懸念される中、オンライン形式の首脳会議を通じて、参加する各国が一致して経済の立て直しに向けた方向性を示すことができるかが焦点となります。

サウジアラビア 経済活動停滞 失業率は15%に上昇

今回、G20サミット=主要20か国の首脳会議が開かれる中東のサウジアラビアは人口およそ3400万。

イスラム教の厳格な教義に基づいて、サルマン国王が絶対的な権力を握って統治していますが、84歳と高齢なことから、息子のムハンマド皇太子への権力の委譲を進めています。

ムハンマド皇太子は去年、大阪で行われた前回のG20サミットに国王の代理として出席しました。
経済面では世界有数の原油生産量を誇り、産油国で作るOPEC=石油輸出国機構を主導していて、原油価格の動向に強い影響力を持っています。

輸出額のおよそ7割を石油に依存していますが、将来的な需要の低下を見越して、観光や太陽光発電など石油以外の産業育成を進めています。

ただ、ことしは新型コロナウイルスの世界的な感染の拡大に伴い経済活動が停滞していることなどから、国内の失業率は15%に上昇しました。

また、世界的な原油需要の低迷で、経済の中核を担う国営石油会社のことし9月までの利益は去年の同じ時期と比べて大幅に落ち込んでいて、国内経済をどう立て直していくかがサウジアラビアの課題となっています。

開催地リヤドでは

G20サミット=主要20か国の首脳会議が開かれるサウジアラビアでは、オンライン形式となり、各国首脳が集まらないことに残念だという声がある一方、成果に期待する声が聞かれました。

リヤドに住む13歳の男性は「新型コロナウイルスの感染防止を考えると、オンライン形式での開催は、よいことではないかと思うし、ほかに選択肢がありません」と話していました。

また、60代の男性は「G20サミットで汚職やテロ対策が進むことを願っています。サウジアラビアはオンライン形式での開催に挑み、今後さらなる難局にも挑んでいくことを示すことになるでしょう」と期待を示しました。