感染経路調べる保健所調査 今後は重症化リスク踏まえ優先順位

新型コロナウイルスの感染者が確認されると、保健所などが、濃厚接触者や感染経路を調べる「積極的疫学調査」を行っていますが、感染が拡大した地域では多くのクラスターが発生し、調査と対策が追いつかないケースがあると指摘されています。この調査について、19日に開かれた厚生労働省の専門家会合で、今後は、高齢者施設など重症化リスクのある人が多数いるところに関わる場合を優先して行うなどとした新たな方針が示され、了承されました。

積極的疫学調査は、感染拡大を防ぐ対策の要になっていますが、現在、感染者を確認した順に調査していて、感染が拡大した地域では多くのクラスターが発生し、追いつかないケースがあると指摘されています。

この調査について、厚生労働省は今後は、優先順位をつけて調査する方針を示しました。

この中で、最も優先されるのは、高齢者施設など「重症化リスクが高い人が多数いるところに関わる場合」で、続いてイベントなど「3密の環境で感染が起きやすい状況」かつ「不特定多数の人との接触があるなど、感染が拡大しやすい場合」で、そして「3密の環境で感染が起きやすい状況」の順で調査を行うとしています。

また、これまで感染経路を調査する際には、発症の14日前からの行動を調べていましたが、多くの場合、感染から7日以内に発症しているとして、今後は発症の7日前からの行動を優先して調べるということです。

この方針は専門家会合で了承され、厚生労働省は今後、調査の実施要領を改定するなどして保健所に説明していくとしています。