“選手との距離 原則2m” 東京五輪・パラ 感染対策で方針

来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックについて、準備状況を確認する大会組織委員会とIOC=国際オリンピック委員会などの会議が終わり、新型コロナウイルス対策として選手との距離は原則2メートルとする方針で検討を進めていくことになりました。

3日間行われた会議最終日の18日は、組織委員会の森会長やIOCのコーツ調整委員長などが記者会見しました。

この中で、組織委員会は議論した新型コロナウイルス対策を説明し、大会での選手との距離は原則2メートル、最低でも1メートル離れる方針として検討を進めることを明らかにしました。

また、選手の検査については、体操の国際大会で「偽陽性」となったケースを踏まえ、陽性と判定する検査の回数が1回なのか複数回がいいのかなど定期的に検査を行うことを基本に検討していくとしています。

また、会見では、議論のテーマではないとしながらも、選手の入場行進の距離に関連して開閉会式のあり方についての考え方も披露され、コーツ調整委員長は「伝統を変えたくない。検査を定期的に、迅速に行うなどして、すべての選手に行進の機会を与えたい」と、これまでと同じ規模を保つ考えを示しました。

一方、森会長は「単に選手が行進するだけではなく、今の計画の待機場所などは基本2メートルは難しいだろう。待機の時間もかなりあり、全体の総数はどうあるべきなのか。今までと違ったものになると思う」と述べたうえで「選手の意向も聞いてみたらどうか」と、選手に意見を聞いていく案を会議で示したことも明らかにしました。

議論された感染対策は、政府が主導する検討会議の中で、主な内容を年内に取りまとめていくことになっています。

IPCパーソンズ会長「パラリンピックは今こそ重要な大会」

記者会見にオンラインで参加したIPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は、「コロナ禍で障害者はより大きな差別や除外に直面していて、多様性のある社会がなぜ重要なのかを世界に見せることができるパラリンピックは今こそ重要な大会だ。関係者がオリンピックとパラリンピックの両方に同じレベルで責任を果たしてくれていることに感謝する」と述べました。

そのうえで、今後、具体的な検討が進められる大会の感染対策について、「どんなガイドラインになっても参加者と大会の安全のためなのだから、その重要性が理解され、必ずルールは守られると確信している」と話していました。

コーツ調整委員長 オーストラリア選手団は短期滞在に

オーストラリアオリンピック委員会の会長も務めるコーツ調整委員長は会見の中で、選手村は東京でいちばん安全な場所だという認識を示したうえで、オーストラリアの選手団について「競技の4日、5日前に到着するということをだいたい決めている。そして、選手は競技が終わって1日、2日たったら国に帰る。長く滞在すれば感染のリスクが増える」と述べました。

そして、各国と地域のオリンピック委員会や国際競技団体が、選手向けのガイドラインの作成を検討していることを明かし、「みんなが開会式に参加してほしいとわれわれは思っている。そして、小さなチームの場合も対処できるのではないかと苦心しているところだ」と述べました。

大会に向け 今後の論点は

今回の3日間の会議では、IOCとIPC、政府、東京都、それに組織委員会の5者で大会関係者の出入国や選手の検査などについて、今後、議論すべき論点を整理しました。

まず、選手や観客以外の海外のメディアやスポンサー、IOC関係者など「アクレディテーションカード」と呼ばれるIDカードを持つ大会関係者の日本への入国については、職務を行ううえで入国後の2週間の隔離や公共交通機関の利用制限が難しい場合、行動ルールの設定や行き先の限定など、何らかの追加的な感染対策を講じる必要があるとして議論をしていきます。

アスリートの検査については、全員対象の検査を定期的に行うことを基本としつつ、接触する度合いなど競技の特性を踏まえながら検討していきます。

そして、競技ごとに感染防止策を整理し、どのような手順で「陽性」という診断を確定させるかや、濃厚接触者の特定、それに濃厚接触者が大会に出場できるかどうかなど具体的な競技運営の手続きを協議をしていくことにしました。

そのほか、原則2メートル離れる方針とした選手との距離や、観客数の上限については日本国内の基準に合わせる方針で、選手村の滞在期間は、密を避けてできるだけ短縮するよう検討していきます。

また、パラリンピックの感染対策は、オリンピックと共通のものに加え、特有の施策を講じていく必要があるとしています。