香港 自由の危機

香港 自由の危機
誰もが自由に発言することができた香港。ところが、そうした自由が危機に直面しています。民主活動家をはじめ、警察に批判的な番組を制作したテレビ局のディレクターなどが次々、逮捕され…。さらに、議会の民主派の議員も香港政府に資格を剥奪されました。

今回は、香港に起きていることが、私たちにどんなことを問いかけているのか考えてみましょう。

問題に挑戦!

まず、入試問題です。
問題
香港は、1997年にイギリスから中国に返還されました。その時、中国政府は、「中国の一部となっても、香港には今から50年間、高度な自治を認める」と約束しました。この約束した内容を何といいますか。

(ラ・サール中学校 2020年 改題)
香港の現状を考えるうえでは、返還時のこの約束がカギになります。歴史からひもといてみましょう。

イギリスから中国に返還された香港

時は19世紀、中国は清の時代。アヘン戦争などを経て、香港はイギリスの統治下にありました。
1997年、香港は中国に返還されました。
このとき、香港に適用されたのが、高度な自治を50年間、約束する「一国二制度」です。
「一国二制度」によって、主権は中国にありながら、イギリス統治時代の政治や経済、社会の制度が維持されたのです。当時の中国には、香港を世界の窓口にしながら経済を発展させる思惑もあったと見られます。
ということで、正解は「一国二制度」です。

一国二制度で維持された自由が危機に

時は流れ、中国は世界第2位の経済大国に。
習近平政権は、一国二制度のもとで維持してきた自由に対し、締めつけを強めていきます。
民主活動家の平和的な選挙集会に対し、警察が違法なデモとみなして、催涙弾で強制排除することもありました。
そして、大きな節目は2020年6月。
中国は「香港の繁栄と安定のためだ」として、「香港国家安全維持法」を導入しました。取締りの対象は、国家の安全に危害を加える行為とされました。

この法律で香港がどう変わったのか、香港情勢に詳しい東京大学大学院教授の阿古智子さんに聞きました。
阿古さん
「ちょっとしたおしゃべりでも、誰かに監視カメラで録音・録画されて、それを証拠として『国家安全に関わる』と言われかねないわけです。ですから、おちおち冗談も言えないというような状況になっています」
法律が導入された直後、取材した民主活動家のひとりはこう訴えました。
「香港は崖っぷちに追いやられました。声を上げ続けて逮捕されるか、黙っておとなしくするしかありません」
その後、日本でも知られた周庭氏など、民主活動家が次々と逮捕されました。
明確な理由が示されないまま、逮捕されるケースも出ています。
さらに2020年11月、警察は、反政府的な動きについて市民からの通報を受け付ける窓口を設けました。市民どうしの密告につながらないか、懸念されています。

民主主義の価値を見つめ、もっと政治に関心を

香港で起きている事を私たち日本人、特に若い世代はどのように考えたらよいのか、阿古さんに聞きました。
阿古さん
「空気のように当たり前だと思っていた自由が、急に変わってしまったんですね。民主主義は勝手に実現するわけではなく、そこに生きている人たちがしっかりと動かしていくものだと改めて認識すべきだと思います。周庭さんはいつも私に言っていました。『(日本の人たちは)こんなに大事な権利があるのに、どうしてありがたみが分からないのか』と。(日本の)若い人たちは投票率が低いですが、今後、日本をつくり、世界に貢献していくわけですから、もっと政治に関心をもってほしいと思います」
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