日豪首脳会談「自由で開かれたインド太平洋実現に連携強化を」

菅総理大臣は、日本を訪れているオーストラリアのモリソン首相と会談し、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練を行う際などの対応をあらかじめ取り決めておく協定について、大枠で合意しました。

オーストラリアのモリソン首相は、17日から2日間の日程で日本を訪れていて、夕方総理大臣官邸で、少人数会合も含め、菅総理大臣と首脳会談を行いました。9月の就任以来、菅総理大臣が外国の首脳と国内で会談するのは今回が初めてです。

会談で、菅総理大臣は、「日本とオーストラリアは、基本的価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーでありその重要性は高まる一方だ。両国が、自由で開かれたインド太平洋の実現のために連携を強化していくことを確認したい」と述べました。

これに対し、モリソン首相は、「両国は、自由と民主主義を享受する志を同じくする国々で、特別な責任を有していると感じている。自由を追求し、市場中心の経済を築き、長年にわたって良好な関係を保っていることを大変うれしく思う」と応じました。

このあと、両首脳は、そろって記者発表に臨み、菅総理大臣は、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練を行う際などの対応をあらかじめ取り決めておく協定について、大枠で合意したことを明らかにしました。協定について、菅総理大臣は、「インド太平洋地域の平和と安定に貢献していくという、日豪両国の意思を強固に支えるものだ」と述べました。

一方、モリソン首相は、「一里塚ともなる大枠合意に達することができた。このような重要な協定を結べたことは、信頼を寄せていただいている証しと受け止めている」と述べました。

さらに、両首脳は共同声明を発表しました。

この中では、安全保障関連法に基づいて、自衛隊が他国の艦艇などを守る「武器等防護」の対象に、オーストラリア軍を加えることについて、実施に向けた体制構築の重要性を強調し、必要な調整を進めるとしたほか、両国の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2プラス2を、来年の早い時期に実施するよう、担当閣僚に指示したとしています。

そして、経済分野での協力をめぐっては15日、インドを除く15か国で合意したRCEP=東アジア地域包括的経済連携について、署名を歓迎し、貿易や投資を促進するため、インド太平洋地域でのサプライチェーンの強化を進める重要性を確認したことなどが盛り込まれました。
会談で、菅総理大臣は「日本とオーストラリアは、基本的価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーであり、その重要性は高まる一方だ」と指摘しました。

そのうえで「強固な2国間関係をさらに強化していくため、安全保障や経済分野の協力を中心に議論し、両国が、自由で開かれたインド太平洋の実現のために連携を強化していくことを確認したい」と述べました。
これに対し、モリソン首相は「菅総理大臣を『ヨシ』と呼ばせていただき、私のほうも『スコモ』と呼んでいただければと思う」と述べました。

そして「両国は、自由と民主主義を享受する志を同じくする国々で、特別な責任を有していると感じている。自由を追求し、市場中心の経済を築き、長年にわたって良好な関係を保っていることを大変うれしく思う」と応じました。

会談では、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練を行う際などの対応をあらかじめ取り決めておく協定や、新型コロナウイルス対策、それに、気候変動問題などをめぐって意見が交わされているものとみられます。

会談の背景には中国への強い懸念

会談の背景には、東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国への強い懸念があります。

日豪両国は、互いに「特別な戦略的パートナー」と位置づけており、アメリカやインドなどとも連携し、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指しています。

両国としては、中国の動向も見据えながら、安全保障や経済などでの協力関係を一層強化し、地域の平和と安定につなげたい考えです。