宮城県 新型コロナ入院患者急増 独自の緊急事態宣言の可能性も

宮城県は新型コロナウイルスに感染し医療機関に入院する患者が急増していることなどから、県独自の緊急事態宣言を出す可能性もあるとして、県民に予防策をとるよう呼びかけています。

宮城県によりますと、仙台市内の有料老人ホームで感染者の集団、クラスターが発生するなどしたため、今月5日には入院患者が過去最大の71人となりました。

4月から5月にかけての「第1波」のときに最も多かった入院患者の数は45人で、今回はその1.5倍に当たります。

県などによりますと、15日の時点で医療機関に入院している人は73人で、過去最多となりました。

県は91床の病床を確保していますが、8割を超える病床が使われていることになります。

さらに、入院先や療養先を調整している人は75人となっています。

最も多かった今月13日の103人よりは減っていますが、高い水準が続いています。

これについて県と仙台市は、感染者が急増したことで、患者の症状を診断して治療方針などを判断する作業が追いついていないことや、患者をホテルなどに搬送する車両が不足していることなどを理由として挙げています。

宮城県保健福祉部の伊藤哲也部長は、今月11日の記者会見で「今後も多数の患者が発生する状況が続けば、県独自の緊急事態宣言を出し、県境をまたいだ移動の自粛や、事業者に対し営業時間の短縮などを呼びかけることも検討することになる」と述べ、県民に予防策をとるよう呼びかけました。