コロナ拡大以降 “ぜんそく入院患者 大幅減”マスク着用影響か

新型コロナウイルスの感染が拡大したことし2月以降、ぜんそくのため入院する患者が例年に比べて大幅に減ったとする調査結果を東京大学のグループが発表しました。グループは、マスクの着用などの対策が影響した可能性があるとしています。

この研究は、東京大学大学院医学系研究科の宮脇敦士助教のグループが、アメリカの専門学会の雑誌で発表しました。

グループは、全国の272の病院を対象に、おととしからことし5月までにぜんそくが悪化して入院した人の数を調査しました。

そして、新型コロナウイルスの感染が拡大したことし2月下旬以降とそれ以前で違いがあるかを分析しました。

その結果、入院した患者の1週間当たりの平均は、例年は229.9人でしたが、ことし2月下旬以降は78.3人となり、新型コロナウイルスがなかった場合に予想される患者数と比べて55%減少していたということです。

また、肺がんや気胸など新型コロナウイルスの影響を受けない呼吸器の病気では大きな変化はみられませんでした。

グループは、マスクの着用や外出を控えるなどの対策が影響した可能性があるとしています。
宮脇助教は「コロナ対策の影響かどうかはさらに研究が必要だ。ただ、以前の生活でぜんそくが悪化しやすいのであれば、コロナが終息してからも、可能な範囲で新しい生活様式を続けることも一案ではないか」と話しています。