コロナで消費減も 「お歳暮」や「おせち」贈る人は増える

新型コロナウイルスの影響で消費の落ち込みが続き、外出を控える動きが続いています。年末年始の帰省や旅行も自粛の動きが続く見通しで、家族や友人と顔を合わせることができない分、お歳暮やおせちを贈る人が増えています。

総務省の家計調査では2人以上の世帯が使った金額は、緊急事態宣言が出た4月に去年の同じ月に比べてマイナス11.1%、5月がマイナス16.2%となったほか、最近発表された9月の指標もマイナス10.2%の落ち込みとなりました。

デパートでは売り上げの減少が続き、東京・銀座の「松屋銀座」では、在宅勤務が増えた影響で紳士服や関連商品の売り上げが去年に比べて2割ほど落ち込んでいます。

中でも落ち込みが大きいのがスーツケースで、このデパートではスーツケースの売り場を減らして、セカンドバッグなど日常的に利用するかばんの品ぞろえを増やしています。

一方、好調なのが「おせち」の予約です。

このデパートのおせちの予約金額は、去年の同じ時期に比べて1.6倍ほどまで伸びているということです。

特に全国に配送できる冷凍のおせちが2.6倍に増えたほか、1段に1人分の料理が入り、取り分けをする必要がないおせちも2.5倍に伸びているということです。

おせちを担当する松屋銀座の小泉翔バイヤーは「年末年始の旅行を控えて自宅で過ごすかたが高価なおせちを求める傾向からか、高級品の売れ行きも伸びている。予想以上の売れ行きだ」と話していました。

一方、ここ数年、減少傾向にあったお歳暮の売り上げが、ことし、増加基調にあるというデパートもあります。

「そごう横浜店」では先月末にお歳暮の予約の受け付けが始まりましたが、去年より1割ほど増え、出足は好調だということです。

横浜中華街にある中華料理店の肉まんなど地元の名物や、京都の伝統野菜などの詰め合わせが人気です。

また、グループのネット通販によるお歳暮の販売が去年よりも5割ほど増え、外出を控える中、手軽に注文できるネットの利用が例年以上に伸びているとみています。

そごう・西武でお歳暮を担当する小島裕也さんは「帰省できない人が親戚や友人などに送る贈答用のほか、自宅用に購入するかたも増えている」と話していました。