新型コロナ情報システム「HER-SYS」活用時期は見通せず 厚労省

新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」で入力されたデータの誤りが相次いで見つかった問題で、厚生労働省は、保健所などがチェックする仕組みを来週以降、順次、導入していくことを決めました。一方、システムを使って感染状況を正確に分析できる時期の見通しは立っていないということです。

「HER-SYS」は、国が全国の感染状況を迅速に把握することなどを目的にことし5月以降、全国の医療機関などに導入しました。

医療機関に対して感染者のデータを入力するよう求めていますが、入力されたデータに相次いで誤りが見つかり、今も国内の感染状況を正確に分析できない状況が続いています。

厚生労働省は13日開いた検討会で、データの明らかな誤りを検知できるようシステムを改修したことを報告したうえで、保健所や地方衛生研究所に対して、データに誤りがないかをチェックするよう今月16日以降、順次、通知する方針を示しました。

厚生労働省によりますと、出席した専門家からは「できるだけ早くデータを公表できるよう準備を進めるべきだ」という指摘が相次ぎましたが、正確な分析に使用できる時期の見通しは立っていないということです。

厚生労働省は、今後、より多くの医療機関にデータの入力を求めたうえで、広く一般に公表することも目指したいとしています。