ブリヂストン フランス工場 閉鎖方針変えず

大手タイヤメーカー、ブリヂストンは、閉鎖の方針を示していたフランス北部の工場について、フランス政府が工場維持のために示した案は「現実的ではない」として閉鎖の方針に変わりはないことを明らかにしました。

ブリヂストンはことし9月、乗用車用のタイヤを生産しているフランス北部ベチューンにある工場について閉鎖する方針を示しましたが、フランス政府は地元経済への影響が大きいとして先月、840人余りの従業員を半分近く減らしたうえで、日本円で120億円余りの設備投資をして生産性を高めるなどとする工場の存続案を提案していました。

会社側は12日声明を発表し「慎重に検討した結果、政府の案は現実的ではないという結論に達した。ヨーロッパでの生産能力は、新型コロナウイルスの危機のためにさらに過剰になっている」として工場閉鎖の方針を変えないことを明らかにしました。

そのうえで、従業員の再就職先をあっせんするとともに、タイヤメーカーなどを中心に工場を引き継ぐ会社を探すとしています。

工場を訪れて会社側の説明を聞いたパニエリュナシェ産業担当相は、「ブリヂストンはこの場所を離れることになったが、私たちは従業員に寄り添って、最もよい解決策を見いだす」と述べ、政府としても従業員の再就職や工場の誘致に努める考えを強調しました。