ことしの忘年会 やはり これですか?

ことしの忘年会 やはり これですか?
師走が近づき、忘年会がちらほらと話題にのぼる季節になりました。しかしことしはコロナ禍の中での忘年会シーズンになりそうです。これまで日本のサラリーマンが大切にしてきた“飲みニケーション”。感染者が全国的に増加傾向となる中、ことしの忘年会、皆さんはどうするんでしょうか?
(ネットワーク報道部記者 小倉真依 國仲真一郎)

忘年会は中止?

「【朗報】今年の忘年会中止」

「忘年会シーズンコロナでたぶんないだろうから今年の余興免れました」
開催を中止する動きが増えているのか、ネット上では一部で歓迎する声がある一方。
「今年は忘年会ないのかぁコロナで全ての楽しみが無くなる…」

「コロナに対応できる忘年会会場とかあればいいのに」
1年の締めくくりに何もないのはさみしいという声も。

そうした中で新たな忘年会を模索する動きを見つけました。
ここ数か月で私たちの日常に一気に入り込んだ、あれです。
「今年はオンライン忘年会するらしい」

のんべえに優しい会社はいま

去年12月に取材に協力していただいた“のんべえにはたまらない会社”も忘年会をオンラインにするかもしれないと聞き、話を伺いました。
東京にあるチャットやビデオ会議などのサービスを提供するこの会社。
フロアの真ん中にバーカウンターを配置し、仕事が終わったらその場で酒を飲みながら社員どうしが交流できるようにしていました。その費用まで会社が負担してくれるという充実ぶりだったのです。
当時の取材には「飲み会が頻繁に開かれ、多くの人が参加することで、部署を越えた横のつながりができた」と意義を語っていたのですが…。
Chatwork株式会社 広報担当者
「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2月下旬から全社員に在宅勤務を推奨しています。社内での飲み会も、それ以降はほとんど行っていません」
最近は在宅勤務が定着し社内で飲む機会はほぼ無くなってしまったとのこと。

しかし“飲みニケーション”を大切にしている会社だけあって、5月からは飲み会をオンラインに移行。
今でも月に1回、社員全員に呼びかけるオンライン飲み会を開いていて先月は約60人が参加したそうです。
IT企業だけに在宅勤務への移行はスムーズに進みました。

一方で業務以外のコミュニケーションは薄れてしまったと感じ、オンライン飲み会を始めたということです。
参加者が多い場合は少人数のグループに分けてじっくり会話を楽しんだり、会の冒頭で新入社員の紹介をしたり。
社員のみなさんもかなり慣れてきているそうで忘年会もこの流れになるのではないかと話していました。
Chatwork株式会社 広報担当者
「オフラインで全社挙げての飲み会を…というのは当分先になりそうですが、ネットでも飲み会の意味はあると思います」

100人規模のオンライン忘年会

このオンライン忘年会、ネットに詳しい人が集まるIT企業ならいいかもしれませんが、そうでない場合は何をどうしたらいいのか困ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
そこで去年、100人規模のオンライン忘年会で幹事を務めた方にコツを教えてもらいました。
営業事務や経理などの代行サービスを行う会社で働く伊藤尚さんです。
サービスはすべてオンラインで仕事をする場所が制限されないため、業務を代行する人たちは日本のほか世界33か国に散らばっています。
遠く離れた仕事仲間とも、もっと交流を深めようと開いたのがオンライン忘年会だったそうです。

決定的に違うのは音声

オンラインで忘年会をする際に気を付けたポイントはどんなところなのでしょうか?
伊藤尚さん
「普通の飲み会と決定的に違うのは音声です。普通は複数の人が同時に話しても会話を聞き取ることができますが、オンラインの場合は同時に話すと声がまざって伝わるため非常に聞き取りにくくなってしまうのです。参加者が10人以上になると、そもそも誰がしゃべっているのかも分かりづらくなります」
この問題を解消するため事前に準備したことがあります。
まず司会進行役を決め、ビンゴゲームやクイズといったオンラインでも楽しめる企画を用意。
さらに100人が参加する全体のグループとは別に10人以下にチーム分けをして、しりとりをすることにしました。
誰か1人がしゃべり続けたり、話し始めるタイミングがわからず戸惑ったりする場面が多いと楽しめなくなってしまうので、そうならないための工夫でした。

オンラインならではの良さもある

もう1つ伊藤さんが指摘したのが、参加できない人や時間に制約のある人に心理的な負担をかけないようにすること。
オンラインはどこにいてもつながることができるため、「逆に断りづらい」「終電を気にしなくていいぶん終わりを切り出しにくい」といったことが起きがちです。
そこで上司から自由参加だと部下に伝えることや、終了時刻をあらかじめ決めて周知しておくといいということです。そのうえでオンラインならではの良さもあると話してくれました。
伊藤尚さん
「オンラインだからこそ、いざという時はミュート(音消し)にしたりビデオを切ったりしてその場を逃げることができます。忘年会スルーしたい若者も気を遣って上司にお酌をしなくてもいいですし、費用もかかりません。ふだん会うことができない人とも話す機会ができるので、やらないうちから切り捨てるのではなく一度やってみては」

料理は“映え”を意識して

同じ料理を食べることで忘年会の一体感を味わってもらおうというサービスも登場しています。
去年「ランチ忘年会」というサービスを展開していた都内の会社。ことしは「オンライン忘年会プラン」の販売を始めていました。
料理や飲み物は参加者の家まで配送。“映え”を意識したカラフルなメニューです。
食べる様子が正面から映ることや、会話の流れを止めないようにすることを念頭に、大きな口を開けなくても食べられるサイズにしたということです。
10月下旬の予約開始以降すでに100件ほどの問い合わせがあり、中には離れた場所にある支社の社員も参加させたいので料理を運んでくれないかという相談もあったそうです。
中矢誠一さん
「人となかなか会えないからこそ、同じものを食べて飲むことで、つながりや親近感を得られると考えています。オンラインの忘年会は、ひとつの選択肢になっていくのではないでしょうか」
最近はデリバリーや持ち帰りサービスを始める飲食店も増えています。
コロナ禍でなかなか行けなくなったなじみの居酒屋の料理を自宅で食べながらオンライン忘年会、そんな楽しみ方もできるかもしれません。