欧州中央銀行総裁 ワクチン開発に期待 追加の金融緩和を示唆

ヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁は11日、新型コロナウイルスのワクチン開発が進むことに期待を示す一方、開発されたとしても普及が進むまでは感染の拡大と経済活動の制限が繰り返されるとして、景気を支えるため緊急の資産買い入れなどを軸に追加の金融緩和を実施する可能性を示唆しました。

ドイツやフランスなどユーロ圏19か国の金融政策を担うヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁は11日、スピーチを行いました。

この中でラガルド総裁は、アメリカの製薬大手ファイザーが開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて「90%を超える予防効果がある」という暫定的な結果を発表したことに関連して、「ワクチンに関する最新のニュースには勇気づけられる」として、期待感を示しました。

一方で「広範囲で免疫が得られるまでは感染の拡大と経済活動の制限が繰り返される」と述べて、ワクチンが開発されても、普及が十分に進むまでは、金融政策で景気を支え続ける必要があるという認識を強調しました。

そのうえで、金融政策の再調整に向けて、「あらゆる選択肢を検討しているが、緊急の資産買い入れなどはすでに有効性が示されていて主要な手段であり続けるだろう」と述べ、11月の理事会で、ことし3月に緊急対策として導入した幅広い資産を買い入れるプログラムの拡大などに踏み切る可能性を示唆しました。