「医療ひっ迫のシナリオも」政府分科会 尾身会長が危機感

政府の分科会の尾身茂会長は、11日夜、NHKのインタビューに応じ、現在の国内の感染状況について「人の動きが活発になるにつれ、各地で感染者数の増加スピードが上がり、明らかに増加傾向に転じている。このままの状態が続くと感染が急速に拡大し、医療がひっ迫するというシナリオもあり得る」と話し、今後の流行状況への危機感を示しました。

そして、尾身会長は「以前の分科会で示した目安では感染が急増している状態を『ステージ3』としたが、この『ステージ3』になった地域ではGoToキャンペーンを含め社会・経済の活動を抑制していかなければならない。そうした強い制限が必要かどうか、判断するタイミングが早晩、来ることになると思う。そうならないために今、なんとか感染が下火になる方向に向かわせなければならない」と話しました。

さらに、尾身会長は、今後の対策について「流行が続く中で冬を迎えるのは日本にとって初めての経験で、寒い気候でどうなるのかは未知の部分だ。しかし、この冬を乗り切ることができれば、丸1年、すべての季節を経験したことになり、緩和できる部分、制限を続けなければならない部分がよりはっきり見えてくる。また、ワクチン開発の成果も出てくるはずだ。多くの人にずっと我慢を続けてもらっているが、まずはこの冬を乗り越えるため、感染を防ぐ対策として示した『5つの場面』を避ける行動をとっていただきたい」と話していました。