バイデン氏 敗北認めないトランプ大統領に「恥ずべきことだ」

アメリカ大統領選挙で勝利を宣言した民主党のバイデン前副大統領は会見を開き、トランプ大統領が選挙で不正が行われたと主張し続けていることについて、「恥ずべきことだ。大統領の政治的遺産にとってよいことではない」と述べて批判しました。

アメリカ大統領選挙で勝利を宣言した民主党のバイデン前副大統領は10日、会見を開きました。

この中で、トランプ大統領が選挙で不正が行われたと主張し敗北を認めていないことについて記者団に問われると、「率直に言って恥ずべきことだと思う。大統領の政治的遺産にとってよいことではない」と述べました。

さらに、バイデン氏は政権移行に向けてトランプ政権が協力する姿勢を示していないことについて、「私たちが準備を進めることを誰も止められない」と述べ、粛々と進めていく考えを示しました。

バイデン氏が今月7日に勝利を宣言をしたあと、トランプ陣営による法廷闘争に言及したのはこれが初めてです。

一方、トランプ大統領は10日も公の場に姿を現していませんが、ツイッターには「集計作業に不正があった」とか「われわれは勝利する」などと投稿し、選挙で不正があったとの主張を続けています。

しかし、トランプ陣営は決め手となる不正を裏付ける証拠を示しておらず、法廷闘争の継続を疑問視する見方も出ています。

民主党上院トップ「現実を見なさい」

トランプ大統領が選挙の公正さを争う姿勢を崩していないことについて、野党・民主党の議会上院トップ、シューマー院内総務は10日の記者会見で「現実を見なさい。バイデン氏が選挙に勝ったのだ。前に進まなくてはならない。協力して課題に対処しよう。新型コロナウイルスの危機の中このようなゲームをしている時間はない」と述べ、敗北を受け入れるべきだとトランプ大統領に呼びかけました。

選挙監視の国際機関「不正はなかった」

アメリカ大統領選挙では、国際機関が選挙の監視団を派遣していて、これまでのところ「不正はなかった」と報告しています。

このうち、アメリカや中南米の国々が加盟するOAS=米州機構は、選挙監視団がまとめた暫定の報告書を今月6日に発表しています。

報告書では28人の専門家からなる監視団が、大接戦となった中西部ミシガン州や南部ジョージア州など4つの州と首都ワシントンで期日前投票や当日の投票などを監視した結果、不正は見られなかったと結論づけています。

報告書は不正が行われたと考える場合、両陣営に司法の場で救済を求める権利があるとしていますが、「救済を求める際は、裏付けがないものではなく、候補者が責任をもって裁判で正当な議論を提示することが欠かせない」と指摘しています。

また、監視団を派遣したOSCE=ヨーロッパ安全保障協力機構も投票日翌日の4日に報告書を発表し、不正はなかったとしています。

バイデン氏 欧州首脳と相次ぎ会談

また、バイデン前副大統領は10日、ヨーロッパの首脳と相次いで電話で会談しました。

イギリスのジョンソン首相はバイデン氏と会談したあと、みずからのツイッターに「気候変動への取り組みや民主主義の推進、そしてパンデミックからの復興など、共通の最優先課題にともに取り組んでいくことを楽しみにしている」と投稿しました。

ジョンソン首相の報道官によりますと、来年イギリスで開かれる地球温暖化対策の国際会議COP26にバイデン氏を招待したほか、来年イギリスが議長国となるG7サミット=主要7か国首脳会議などで会うことを楽しみにしていると伝えたということです。
フランスの大統領府はマクロン大統領がバイデン氏と電話で話す様子を撮影した動画を公開し、この中でマクロン大統領は「あなたとハリス氏を心から祝福したい」と述べました。

大統領府によりますと、マクロン大統領はバイデン氏に対し気候変動や保健分野、それにテロとの戦いなどの課題で協力していく意向を示したとしています。
また、ドイツのメルケル首相もバイデン氏と電話会談を行い、ドイツ政府の報道官によりますと、メルケル首相は祝福の言葉を伝えたうえで、緊密で信頼に満ちた協力関係を築いていきたいと述べたということです。

また双方は、地球規模の課題が数多くある中で、大西洋をまたいだ協力を進めていくことが重要だという点で一致したということです。

このほか、アイルランドのマーティン首相もバイデン氏と会談し、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定や、WHO=世界保健機関など多国間の枠組みの重要性を確認したほか、バイデン氏のルーツがあるアイルランドを訪れてほしいと呼びかけたということです。