新型コロナワクチン インフルエンザのワクチンとの違いは?

呼吸器感染症のウイルスに対するワクチンは開発が難しいとされていて、現在実用化されているものはインフルエンザワクチン以外にはないということです。

インフルエンザワクチン

厚生労働省などによりますとインフルエンザのワクチンの場合は、感染するのを完全に抑える働きはないものの、接種することである程度発症を防いだり、重症化するのを防いだりする効果が期待できるということです。

国内の研究では65歳以上の高齢者では34%から55%発症を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったということです。

また、6歳未満の子どもでワクチンによって発症するリスクをおよそ60%減らしたという研究もあるということです。

新型コロナワクチン

一方、多くの新型コロナウイルスに対するワクチンは従来のインフルエンザワクチンなどとは全く異なる技術で開発が進められているため、どの程度の効果が期待できるのか詳しくは分かっていません。

インフルエンザのワクチンは、実際のウイルスを増やし感染しないように薬品で処理して製造します。

今回ファイザーが開発しているのは「mRNA」と呼ばれる遺伝子を使ったワクチンです。

新型コロナウイルスの情報を持った「mRNA」を投与することで体内で設計図のように働き、免疫の目印となるウイルスの一部を作り出します。

ワクチン開発に詳しい北里大学の中山哲夫特任教授によりますと、今回のワクチンは「mRNA」を脂質の粒にくるんで投与するもので、これによってより効率よく抗体を作り出せる可能性があるということです。