インド 大気汚染が悪化 コロナ感染者や重症者増加させる懸念

インドの首都ニューデリーでは新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する中、大気汚染が悪化しており、地元の医師会は大気汚染に伴って感染者や重症者が増加するとの懸念を示しています。

インドの首都ニューデリーではこの時期、周辺の畑で行われる野焼きなどによって、大気汚染が世界最悪レベルと言われるほど悪化します。

10日は大気汚染物質PM2.5の濃度が、日本の環境省が定める基準の30倍以上に達するときもあり、街全体に濃い霧がかかったようになり、観光名所のインド門もかすんでいました。

ニューデリーでは、今月に入って新型コロナウイルスの1日の感染者が8000人近くまで急増していて、インドの医師会は大気汚染の影響で新型コロナウイルスの感染者が10%余り増えたと推計しているほか、肺の病気にかかることで重症化しやすくなるとの懸念を示しています。

今週末にはヒンドゥー教の祭り「ディワリ」があり、大量の爆竹が使われて汚染が進み、さらなる感染拡大のおそれがあることから、地元政府は今月いっぱい爆竹の使用や販売の禁止を決めるなど対策を強化しています。

ニューデリーに住む女性は「感染が広がる中で汚染の悪化が進み、汚い空気を吸えば、より多くの人が感染すると思います。とても難しい状況です」と話していました。