新型コロナ感染者増加「最大限の警戒感で対処を」菅首相

新型コロナウイルスの感染者の増加を受けて、菅総理大臣は政府の対策本部で、最大限の警戒感をもって対処する必要があるとしたうえで、冬に備えて、感染拡大の防止と社会経済活動の両立に全力で取り組むよう指示しました。

政府の新型コロナウイルス対策本部の会合で、菅総理大臣は「新規陽性者数が1000人を超える日もたびたびあり、最大限の警戒感をもって対処する必要がある。現在の確保病床に対する使用率は、感染が拡大している都道府県でも、おおむね3割程度だが、国民の命と健康を守り抜くために、これまでの経験を踏まえた対策を先手先手で講じていく」と述べました。

そのうえで、専門家の分科会からの緊急提言を踏まえ、今までよりも踏み込んだクラスター対応を実施するほか、日常生活や職場などで感染リスクが高まる「5つの場面」について、情報発信を強化し、感染防止策を確実に実践すると強調しました。

また、ワクチン開発をめぐり「内外の製薬企業で研究開発が進んでいるなど、まさに人類の英知を結集し、新型コロナウイルスへの対応を講じている」と述べました。

そして「冬に備え、これまでに得られた科学的知見を生かし、引き続き、感染拡大の防止と社会経済活動の両立に向けて、対策に全力であたっていただきたい」と指示しました。

西村経済再生相「何とか減少傾向に」

西村経済再生担当大臣は記者会見で、9日出された専門家の分科会からの緊急提言を踏まえ、SNSの発信を人工知能で分析しクラスターを早期に覚知する取り組みを進めるほか、リスクコミュニケーションの専門家からアドバイスを受けながら広報を強化する考えを示しました。

そのうえで、「対策を着実かつ迅速に実行し、さらに必要な施策については経済対策の中で充実させたい。感染者が増えるとまた自粛をしなければならない状況になるので、これまでの経験を踏まえ皆の努力で何とか減少傾向に転じさせたい」と述べました。