米 新型コロナ感染者 1000万人超 非常事態宣言出す州も

アメリカで新型コロナウイルスの感染が確認された人の数は累計で1千万人を超え、感染者が急増している州では再び、非常事態宣言を出して家族以外が集まることを原則、禁止するなど、行動を制限する動きが出始めています。

ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、日本時間午前4時現在の、アメリカの新型コロナウイルスの感染者の数は累計で1001万人あまりと、1000万人を超えました。

1日あたりの感染者は5日連続で10万人を超えているほか、死者も1000人を超える日が続いていて、地元メディアはハワイ州をのぞくすべての州で感染者が増加傾向にあると伝えています。

こうした中、西部ユタ州は入院患者の数が急増し医療機関が適切な医療を提供できなくなるおそれがあるとして、9日、新たに非常事態宣言を出しました。

そして、▼州全体でマスクの着用を義務づけるほか▼11月23日まで家族以外の社交的な集まりの禁止、▼小中高校での課外活動の中止など、感染につながる行動の制限を発表しています。

また、南部テキサス州のエルパソ市では医療機関で対応にあたる医師や看護師が不足しているため、国防省が軍の医療チームを派遣する事態になっています。

アメリカでは11月下旬の感謝祭の前後に、帰省などで移動する人が増えることが予想されていて、それをきっかけに感染がさらに拡大するおそれが指摘されています。

専門家 トランプの対策批判 バイデン氏に期待

感染症対策が専門のニューヨーク大学のマイケル・マーソン教授は、「最初の感染拡大のあと、トランプ政権がリーダーシップを示さないまま 各地で経済活動や人の移動を再開したことが1000万人の感染者という結果につながった」とこれまでのアメリカの対策を批判しました。

そして、大統領選挙で勝利を宣言した民主党のバイデン前副大統領が感染対策に力を入れる姿勢を示していることについて、「国レベルでのマスク着用の義務化などを強く訴えてきたバイデン氏が、必要な対策を一刻も早く実現することを期待したい。新型コロナウイルスについての人々の態度が政治化する中、バイデン氏には対策に向けて国民を統合していくことが求められる」と対策の強化に期待を示しました。