新型コロナ ワクチン接種に向け 予防接種法改正案 審議へ

国会では、10日、衆議院本会議で菅総理大臣も出席して、新型コロナウイルスのワクチンを円滑に接種する体制を整備するための予防接種法改正案の審議が始まります。

新型コロナウイルスの感染者が北海道など各地で増加する中、政府の分科会が、9日、クラスターや水際対策の強化を求める緊急提言をまとめたことを踏まえ、政府は、感染拡大への警戒感を強めています。

こうした中、政府は、国民全員が接種できる量のワクチンを来年前半までに確保する方針です。

10日、衆議院本会議で審議入りする予防接種法改正案には、ワクチンを円滑に接種する体制を整備するため、接種費用を全額、国が負担し、健康被害が確認された場合は、医療費を支給することなどが盛り込まれており、菅総理大臣や田村厚生労働大臣が出席して、趣旨説明と質疑が行われます。

与党側は、来週19日にも衆議院を通過させたい構えなのに対し、野党側は、ワクチンの安全性や有効性を確保する必要があるとして、参考人質疑を含めた十分な審議を求めていて、与野党の協議が続く見通しです。

一方、今後の国会運営について、野党側は、「日本学術会議」の会員任命をめぐる政府の対応などを議論するため、衆参両院の予算委員会で集中審議を行うよう求めています。

与党側は、法案の審議状況を見極めながら対応する構えで、10日、自民党と立憲民主党の国会対策委員長が協議することにしています。

自民 森山国対委員長「会期が非常にタイト」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「野党の理解を得ながら、政府が提出した法案を参議院に送ることを最優先に、日程調整を進めたい。今の国会は、会期が非常にタイトなので、集中審議の時間は長くても3時間程度になるのではないか。『日本学術会議』については、これまで、ずいぶん議論してきたが、野党が、正したいことがあれば、それも1つの課題になる」と述べました。

立民 安住国対委員長「感染拡大は予断許さない状況」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「日本学術会議のことで、かなり詰めないといけないこともたくさんあるが、他方で、新型コロナウイルスの感染拡大は予断を許さない状況になってきている。また、アメリカの次期大統領がバイデン氏になれば、大きな政策の変更があり、日本がどう関わっていくのかについても議論する必要がある」と述べました。