NYダウ平均株価 一時3万ドルに迫る 取り引き中 最高値更新

週明け9日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価は、大幅に上昇し、ことし2月につけた取り引き時間中の最高値を更新しました。

アメリカの大統領選挙で民主党のバイデン前副大統領が勝利を宣言したことに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発の期待から、幅広い銘柄に買い注文が集まりした。

9日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、先週末に比べて834ドル57セント高い、2万9157ドル97セントでした。

大統領選挙でバイデン氏が勝利を宣言したあと最初の取り引きとなった週明けのニューヨーク市場は、市場に安心感が広がったうえ、アメリカの製薬大手「ファイザー」が開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験について「90%を超える予防効果がある」とする暫定的な結果を発表したことからワクチン開発への期待が高まりました。

このため、買い注文は、航空や娯楽・サービスなど幅広い銘柄に及び、取り引き開始直後には、先週末に比べて1600ドル高の2万9933ドルと、大台の3万ドルに迫り、ことし2月につけた取り引き時間中の最高値を更新しました。

ただ、その後、値上がり幅は縮小し、同じように取り引き時間中の最高値をつけたナスダックの株価指数は、逆に大幅な値下がりで取り引きを終えています。

一方、外国為替市場では、急速に円安が進み、円相場は、一時、1ドル=105円台後半まで値下がりしました。

株価上昇 最大の要因は「ゼロ金利政策」と「量的緩和策」

株価上昇の最大の要因はアメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が、企業が資金を借りやすくするための「ゼロ金利政策」と、国債などを買い入れて市場に大量の資金を供給する「量的緩和策」という異例の危機対応を続けていることがあります。

FRBは3年先の2023年末までゼロ金利政策を続ける見通しを示していることもあり、大量の緩和マネーが株式市場に向かいやすくなっているとみられています。

ただ、アメリカの実体経済は新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受ける以前の水準には戻っていません。

失業率はことし2月の3.5%と比べて、10月は6.9%となっていて、失業者の数は今も1100万人を超えています。

特に、比較的所得が低い若者らの雇用の受け皿となってきた飲食店やホテル、映画館などのサービス業の回復が遅れていて、IT業界などとの差が課題になっています。

また、このところ新型コロナウイルスの感染が再び増える傾向にあり、景気の先行きは予断を許さない状況です。

ダウ平均株価 最高値更新の軌跡

2008年の世界的な金融危機、リーマンショックのあとダウ平均株価は大きく値下がりし09年の3月には、6500ドル余りまで下落します。

その後は景気の回復とともに株価も上昇を続けますが、一段と株価を押し上げたのはトランプ政権の誕生でした。

トランプ大統領が当選を決めた大統領選挙の当日、4年前の2016年11月8日のダウ平均株価の終値は、1万8332ドル74セント。

政権発足後は、法人税減税などの政策に加えて世界経済の回復もあって値上がりが続きます。

中国との貿易摩擦などの影響で一時は下落するものの、ことし2月には、当時の最高値となる2万9551ドル42セントの終値をつけました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で2月末から株価が急落。

1日でおよそ3000ドルの下落を記録するなどし、3月末には1万8500ドル台まで落ち込みました。

これに対してアメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は大規模な金融緩和に乗り出し、実体経済が新型ウイルスで大きな打撃を受ける中でも、その影響を受けにくいとされるIT関連銘柄を中心に株価は急回復します。

そして、9日の取り引きでは、大統領選挙でバイデン氏が勝利を宣言し、先行きの不透明感が薄れたことに加え、新型ウイルスのワクチン開発をめぐる発表も重なり、一気に最高値を更新しました。

日経平均株価は、先週末、平成3年=1991年11月以来の水準まで値を戻しましたが、同じ期間で比べるとダウ平均株価は、9倍以上になっていて、ニューヨーク市場の株価の「強さ」が際だっています。