経団連 長期ビジョン発表 女性役員30%以上など初の数値目標も

経団連は2030年までに、企業の女性役員を30%以上に高めるとする初めての数値目標や、デジタル分野への集中投資で、新たな成長を目指すことなどを掲げた長期ビジョンを正式に発表しました。

経団連は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が低迷する中、持続可能な資本主義社会を実現する必要があるとして、長期ビジョンを正式に発表しました。

それによりますと、2030年までに、多様なキャリアが実現する社会にするため、企業の役員に占める女性の割合を30%以上に高めることを目指すべきという数値目標を初めて掲げました。

また、DX=デジタルトランスフォーメーションで、暮らしやすい社会を掲げ、デジタル分野に集中投資することで、医療や教育などの分野で新しい産業を生み出すべきだとしています。

一方、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指す政府の方針については「これまでの取り組みだけでは明らかに力不足」だとして、再生可能エネルギーの導入を拡大する一方、原発も推進し、2030年までに安全性に優れた新型炉の建設に着手すべきだとしています。

経団連では、これらを具体化するため、成長戦略の策定を進める政府への働きかけを強める方針です。

中西会長は入院先の病院からオンラインで会見を行い「感染拡大で、経済成長のためにやるべきことのスピードが早まっている。政府と連携しながら戦略の共有を図っていきたい」と述べました。