“ヨウ素剤” コロナ対策で郵送で住民に配付へ 宮城

原子力発電所で事故が起きた場合に備えて周辺住民に事前配付されるヨウ素剤について宮城県は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、住民が郵送でも受け取れるよう見直しました。内閣府によりますと、国の考え方にもとづいて郵送によるヨウ素剤の配付を行うのは初めてだということです。

ヨウ素剤は原発などで事故が起きた場合、のどにある甲状腺の被ばくを防ぐために服用する薬です。

宮城県内では東北電力の女川原子力発電所からおおむね5キロ圏内に住む40歳未満の住民など750人余りに定期的に配付され、これまで受け取る際には、説明会に参加して医師から副作用の説明と問診を受けることが必要でした。

これについて内閣府は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための考え方を示し、自治体に対応を求めていて、宮城県は、住民が郵送でもヨウ素剤を受け取れるよう見直しました。

郵送を希望する人は、医師が副作用などを説明する動画を県のホームページで視聴し、対象者に送られる健康状態のチェックリストに記入して県に送付することが必要だということです。

一方、持病がある人などは、これまでどおり説明会に参加して医師の問診を受ける必要があるということです。

内閣府によりますと国の考え方にもとづいて郵送によるヨウ素剤の配付を行うのは宮城県が初めてだということです。

内閣府「やむを得ない事情で配達 対策として推進」

宮城県が原発の周辺の住民に事前配付されるヨウ素剤を郵送でも受け取れるよう見直したことについて内閣府は、「今回のように新型コロナウイルスの感染症の拡大など、やむを得ない事情で配達することは対策として推進している。配布にあたっては、薬剤師などによる健康確認をオンラインで実施することなども自治体にはあわせて実施してもらいたい」とコメントしています。